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精神科バイアス

大学病院の精神科に入院中のうつ病@骨折でベッド上安静が続いていた患者さんが、呼吸苦を訴えました。

パルスオキシメーターでは、83〜84%でした。

チアノーゼもある様子ですが、病室の照明が暗めで顔色が良く分かりません。

心電図はHR140でタキッています。

精神科医のオーベンは、『様子を見ましょう。』と言いました。

肺塞栓を疑っていた看護師は、精神科医のオーベンに某科の専門医を呼びましょうと一喝しました。

某科の専門医はこの状態を診て、『この患者さんは、嘘をつきますか?』と、患者さんの前で精神科医のオーベンに聞きました。

詐病を疑っている様子でした。

精神科医のオーベンは、黙りこくっていました。

こんなやり取りが、4〜5時間経過しました。

呼吸苦は続いていて、パルスオキシメーターも83〜84%を表示し続けていました。

ぶち切れた看護師が、『患者さんもパルスオキシメーターも嘘をつきません。』と言ったら、某科の専門医が急にバタバタし始めました。

準夜勤帯から深夜勤帯に変わる頃に、ようやくオペ室に移動されました。

肺塞栓で、あと1時間対応が遅れていたら死亡していましたと手術を担当した医師が言いました。

患者さんが、『骨折で運ばれた時に呼吸苦が出たら、医師や看護師に直ぐに伝えてと救命医に言われていたの。』と、ずっと言っていましたが…。

精神科バイアスは、悲しいですね。

これがほんの20年前に、日本の大学病院であった出来事です。


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