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ある作業療法士の詩

今から約10年前の、東京都足立区にある成仁病院にて。

昭和大学卒の3年目の作業療法士の今井光くんのアスペルガーの話。

30代半ばの作業療法士の加藤くんが、今井光くんのことをこう宣っていた。

3年前に新卒で成仁病院に来た。

昭和大学の教授がやって来て、ご迷惑をおかけしますが、うちの今井光を宜しくお願いしますとご丁寧に挨拶した模様。

上司に指示を出したり、初対面の受付のカワイイ子にいきなりディズニーランドへ一緒に行こうとか、同期の新卒の作業療法士にダメ出し説教をしたりとアスペルガー全開だった今井光くん。

これにブチギレた先輩の加藤くんが、1ヶ月間毎日、今井光くんにダメ出しをして潰していたとのこと。

がしかし、パワフル今井光くんの方がしぶとくて加藤くんの方が潰れたとか。

私が今井光くんに聞いたエピソード。

昭和大学は精神科のエキスパートを育てている大学。

精神科医の先生方も多数在席している。

電車の事故で学生の大半が遅刻してきたとか。

遅延証明もあるのに、何故か今井光くんだけ先生に怒られたとのこと。

多分空気が読めないので先生方の揚げ足を取ることを普段からしていたから、目を付けられていたんだろうね。

がしかし、昭和大学には多数の精神科医がいるのに、何故、学生時代に親を呼んで精神科に繋げてあげなかったのかしら。

まあ、まだ当時は発達障害とかアスペルガーなどの概念が流行ってはいなかったからかな。

勿論、看護師の私に対しても指示出しをしていた今井光くん。

デイケアで患者さんらとお習字をしていた時に、国士無双と書いた今井くん。

これを見た精神科医の高橋先生が私に、この患者さん大丈夫と聞いてきた。

スタッフの今井くんが書きましたと言ったら、高橋医師はそそくさと逃げた。

また、3年目だった今井くんが、世界で大活躍しているサッカー選手の名前をあげて、あいつは俺と同い年で世界で活躍しているから、俺も頑張らなきゃなと宣っていた。

そんな今井くんの仕事ぶりは、自分が興味のあることややりたいことしかしていない割に、ミスや抜けがあるポンコツだった。

藤松久恵主任から不定期に説教されていたが、何で俺ばっかり怒られるんだろうなと私に愚痴をこぼしている程度の現実検討能力。

病棟のベーシックナースらに今井くん助かるわと猫なで声を出されて、ナースしかしてはいけない仕事をたのまれても、楽しく働く今井くん。

このため、16:30までのシフトの日も、22:00くらいまで病棟でこき使われていた今井くん。

これを見ていた小杉師長が今井くんに、16:30にタイムカードを押してから好きなだけ働けとアドバイスしていた。

そう、今井くんは知的水準も低かったよ。

今井くんは兄貴風を吹かせるタイプだった。

自分では仕事が出来ると勘違いしていた。

がしかし、成仁病院も精神科だが、今井くんのアスペルガーや知的水準が低いことを精神科医らが診断してあげてなかったよ。

精神障害者虐待だったな。

お粗末様でした。

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