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妊娠5ヶ月で天国へ行った赤ちゃん

2015年、長男が1歳半の時2人目を妊娠した。2人目妊娠に喜んだのも束の間、それはそれは大変な日々だった。時短勤務ではあったものの、仕事を目一杯こなしてから1歳半の子供のお世話につわりが加わると、本当に過酷な日々だった。職場復帰して3ヶ月後くらいであったため、仕事と育児の両立もリズムを作れていない状況であったと思う。体重も人生でマックスに痩せていてBMIも16ぐらいしかなかった。

やっとつわりが終わった、次の健診で性別がわかるかな?、胎動もそろそろ感じるかな?という感じで妊婦健診に行ったところ、医師から「赤ちゃんの心臓が動いてないね」という衝撃的な一言が。

ああ、そうだった、妊娠には安定期なんてなかったんだった、急に思い出された。妊娠中はいつ何が起こってもおかしくない、助産師である私はいつも目の当たりにしてきたことだった。でも妊娠16週に入りつわりも終わってようやく少し体が楽になる、そう思っていた矢先だった。待合室で長男と待っていた夫に伝えると、泣いていた。


その後弟の結婚の食事会などこなし、3日後入院した。入院した産婦人科は老舗といった感じの昔ながらの産院だった。状況が状況なだけに1人部屋にしてくれた。

いわゆる病院のベッドに小さなテレビがあるくらいの部屋だったが、『ゆっくり寝れる。ゆっくりテレビが見られる。』とちょっとホッとしたような気持ちになった自分に驚いた。入院1日目の夜不思議と涙は出ず、ベッドに横たわり体がベッドに沈むのを感じながら好きなテレビを見て、体がとても疲れきっていたことに気がついた。『こんなに疲れてんたんだ』。

次の日赤ちゃんが出てきてくれた。とても綺麗な男の赤ちゃんだった。夫も付き添ってくれて2人で泣いた。妊娠12週を過ぎてからの流産とのことで、産後休暇8週もらえて家でゆっくり過ごした。しばらくは悲しくて仕方がなく過ごしていたが、長男の存在が心の支えだった。


これが第一子での経験だったら、周囲の協力がなかったら…。中々誰にでも気軽に相談できることではない。もっと気軽に話ができる場を増やさなければ。そう思う。

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