ポガティブな曲を聴きたくなる時は、何かが煮詰まっているのかもしれない。

ポジティブなのかネガティブなのか分からない、あるいは両方が入り混じった"ポガティブ"な楽曲を無性に聴きたくなることがある。最近聞いた楽曲集。
レコード会社もしくはアーティスト本人が公式にアップロードした音源限定。

リハビリテイション/BAA BAA BLACKSHEEPS

同じアルバムに収録されている「夢の出口」にカルト的人気のあるフリーゲーム「ゆめにっき」のSEが使われていると一部で話題になったらしい。それ絡みで知った記憶がある。
アルバム中、後ろめたい感情、不快感や不安、打ち解けなさを題材とした歌詞の曲が続いて、その一番最後に収録されているのがこの曲。
最終盤の歌詞が沁みる。

学習 / たま

公式音源としてアップロードされている音源がこのアレンジ版しかないのだが、アルバム「東京フルーツ」に収録されているオリジナル版はもっと落ち着いた雰囲気のメロディー。
分からないものは分からないという諦観の念ととれるような気もするし、それでも分かるかもしれないから時間をかけてみようという緩い希望の念ととれるような気もする。

今日も雨 / 倉橋ヨエコ

爽やかで軽快なメロディーで、でも雨は止まず天候は悪化するばかりという歌詞。最後は明るく「そんなもんだろう」の一言で締める。
現状を受け入れる手助けをしてもらっているような気分になる歌。

99 Glooms /Sta

gloomは悪夢を意味する。
疾走感のあるアップテンポな始まり方だけれど、どこか葛藤や焦りを感じさせるメロディー。
この曲が収録されている音ゲーCYTUSⅡでのこの楽曲の立ち位置もおもしろい。

深夜高速 / フラワーカンパニーズ

いろいろなことがあったりなかったりするけれど、何をどこまで言葉にして残していき、それ以外のことをどうやって忘れ、あるいはどうやって墓場まで持っていけばよいか。
そんなことを思う時に聴くと、なんともいえない気持ちになる曲。

こんなにも月が美しく輝く夜は / 青柳舞

ある意味で未練がましく、ある意味で前向きな曲。
思い出を美化したい時に聴くといいのかも。

ハイパーベンチレーション / RADWIMPS

https://www.uta-net.com/song/97098/

初めて聴いた時に終盤の間奏あけの日本語の歌詞で、なんとなくハッとさせられた記憶がある。適度に醜くあってほしいと感じる気持ちと、綺麗であってほしいと感じる気持ちがどんな人にもあるという普遍性の指摘。
「全く思ってもみないこと」が起きるのではなく、「思っている以上のこと」か、「思っている以下のこと」が起きているだけで、自分の思う軸には収まっているという指摘。

Sigh Sigh / Kitri

起承転結の4部構成、計12分の大作。
流れに身を任せるように聴いていられた。


ネガティブとポジティブの二極に分けられるほど、人の感情は単純なものではないので、ネガティブ思考やMBTI診断といったラベリングを行うことが必ずしも良い結果を招くとは限らない。

だから、こうした人間の感情、情景、思考の複雑さを思い出させてくれるような楽曲を聴くのは有意義なんじゃないか、と、ふと思う。