#37 筆箱

りこの水曜日は、学校から家に帰った後、書き方教室に行く。その書き方教室から帰ってきて、りこは私に書き方教室での出来事をかいつまんで私に話をした。「書き方教室には、りこの小学校とちがう学校に通う同級生のかなちゃんも来る。かなちゃんは元気だけどいやなところもある。先生に注意されることもある」

「わたしのとなりの席になるとかなちゃんは『何はいっているの?』と言って、私の筆箱の中のものを見ようとする。この前も、私の筆箱からパンダの消しゴムを取り出してねじったので消しゴムが切れそうになった。友達のくみちゃんの横に座ったとき、筆箱の中のものを勝手にさわられた。くみちゃんも『いややな』と言っていた。

「先週もかなちゃんが私の横だった。『なに入ってるの?』と言って、わたしの筆箱の中のものを見るつもりやったわ。その日は急いでいたので、書き方教室の時に持って行っている筆箱と違う、学校に持っていくいつもの筆箱を持って行ったわ。その中に、いつも入れている大好きなゴム製のカナヘビ君が入ってたわ。いつものように、りこの筆箱を開け、中のものをさわろうとして、カナヘビ君をさわっった時、かなちゃん『ギャー』とこえをあげたわ。大きな声だったので『かなちゃん。静かに』と先生に注意されたわ」

「かなちゃん今日も落ち着かへん時もあったけど、今日は私の筆箱は触らへんだわ」と言った。

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