#299 地獄絵図
先日、長岳寺に行った。
前回は、大きな池に、紫色のかきつばたが見ごろを迎えていた。鐘楼からの鐘がきこえてきた(#209 長岳寺)。
今回は、秋の期間だけに展示される、『大地獄絵』(伝 狩野山楽 筆)を見に行った。金堂に入ると、9幅で構成された地獄絵図が(縦3.5m 横11m)あった。図には、冥界の入り口である墓地、死天山、三途の川、賽の河原、八大地獄、餓鬼道、畜生道、修羅道などのすざましい情景が描き出されていた。
住職さんが、三途の川や三悪道とそこに堕とされた人々、八大地獄について教えてくれた。罪の思い罪人が堕ちる灼熱地獄や無間地獄や火の車からは恐怖が伝わってきた。
最後の絵図には、様相が変わり極楽に導いていってくれる阿弥陀如来が描かれていた。
昔から、祭礼や法要に集まった人々に、死後にたどる道を、この絵(地獄図絵)をつかって説明した(絵解き説法)。そして、先祖供養や満中陰や年忌の意義を説いたということだった。
最後に住職は、「三悪道(地獄・餓鬼・畜生)や修羅道の世界は、我々の世界にありますよ。戦争という、すざまじい殺戮と灼熱地獄のようすが、今のガザやウクライナの映像として送られてきていますよ。」と言った。
私たちは、金堂を見て池の周りをまわった。金堂が池に映っていた。その後、受付から駐車場のある大門まで歩いていった。
時折鐘楼からの鐘の音がきこえてきた。