#56 ペットの悪口

「ただいま」と言って学校から帰ってきたりこが「今日学校で男子とケンカしたわ」と言った。私は、「いつ?何かあったん?」とりこに事情を聴いた。

昼休みにりことなっちゃんと、たくやとかずやでババ抜きをやっていた。たくやがなっちゃんのかわいがっているペットのカメのことをブスといった。はじめは、小さい声で言っていたのだが、「なつかのペットのカメはブスや」と自分で笑いながら、そして何回もしつこく言った。そこで、なっちゃんが泣きだしたとのことだった。

りこが「あんた何言うたん⁈。なっちゃんが悪いことしたんか⁈。女子を泣かすようなこと言っていいの⁈」とたくやにきつく言った。それを聞いて、近くの男子も女子も様子を見に来たのだった。「黙ってるんやったら、りこがいうで。」というと、たくやが「なつかのペットをブスと言うた」といった。りこが「そんな小さな声では、みんなに聞こえへんわ。はっきりなっちゃんに謝りや‼」というと「なつかの、ペットのカメをブスっといいました。すみません。」とたくやが言った。集まってきた男子は「そら、たくやがあかんわ」と外に遊びに行った。終わってから、なっちゃんに「ありがとう」といわれ、女子に「りこ、よう言うた」とお礼を言われた。

話を聞いて私は、「りこよう言うたな・・・。その言い方迫力あるやん。」と言った。「これ、ママがりこに怒る時の言い方やで。」とりこが言った。


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