見出し画像

「マジック・ランプ」のカルテ (クソカード医学会用資料13)

まえがき

 「マジック・ランプ」は「ランプの魔精・ラ・ジーン」とともに原作の王国編で海馬が使ったモンスター(原作では罠)で、決闘序盤でそのトリッキーな効果で遊戯を苦しめました。
 OCGでは当時(第二期)としては比較的珍しい展開効果と、今でもそこそこ珍しい攻撃対象変更の効果を持つモンスターで、サポートしやすい魔法使い族ということもあり、強くはないけどクソカードかというとやや微妙です。
 しかし、使うとなればコツが要るのも確かなので、今回もまた番外編としてご紹介します。

マジック・ランプについて

 患者の性能は以下の通りです。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

 手札から「ランプの魔精・ラ・ジーン」を特殊召喚する効果と、裏側守備表示で攻撃を受けると相手モンスターにその対象を移し替える効果を持ちます。
 ①の効果はラ・ジーンがいなければ発動できないので、そのラ・ジーンも見ておきましょう。

 地味に絵柄が2種類ある……。見ての通りの闇属性悪魔族星4のバニラで、「デーモン・ソルジャー」を始めとして対抗馬が数多く居るため「マジック・ランプ」抜きで考えると海馬のファンデッキなどでなければ使われることはまずないでしょう。「マジック・ランプ」を活かすには「ランプの魔精・ラ・ジーン」が必須、「ランプの魔精・ラ・ジーン」を活かすにも「マジック・ランプ」が必須という共依存関係は「壺魔人」と「ドラゴン族封印の壺」の関係を彷彿とさせます。あそこまで重症じゃないが……。

 手札にあればラ・ジーンを即座に「マジック・ランプ」で特殊召喚でき、そのままリンクにつなげることができます。また、ターン1制限がないので「闇の量産工場」などでラ・ジーンを回収できさえすれば連続リンク召喚なども可能です。(「創造の代行者ヴィーナス」とやや似た立ち位置でしょうか)
 しかし場に「マジック・ランプ」、手札にラ・ジーンの状況を能動的に作ろうとするとやや面倒。「マジック・ランプ」とラ・ジーンの種族・属性が共通してないのもいただけません。使えない効果ではないが、活かしづらい効果ではあるといったところ。
 攻撃対象を移し替える効果も、展開してくるデッキに対しては牽制としてなかなか優秀ではあるのですが、裏守備のまま除去される可能性や、相手がモンスター1体のみで戦う【閃刀姫】のようなデッキだと上手く活かせません。また、受動的な効果なので、相手が数を並べてきてもそのまま制圧されてしまうと元も子もないです。

 まとめると、
①フィールドに「マジック・ランプ」、手札に「ランプの魔精・ラ・ジーン」を用意するのがやや手間
②「ランプの魔精・ラ・ジーン」を使い回す回収手段が必要
③攻撃誘導効果を活かせるかどうかが相手依存
 となります。なんか問題点少ないですね今回。
 これらには簡単な解答がwikiにありまして、②には「パーペチュアルキングデーモン」と「出たら目」、③には「くず鉄のかかし」を使います。

 まず問題点②。
 「パーペチュアルキングデーモン」はダイスの出目によって墓地に送られた悪魔族モンスターを場、デッキ、手札のどれかに戻す効果を持ちます。

 ここに「出たら目」を加えると、悪魔族モンスターは必ず場に特殊召喚されるか手札に戻ります。

 「パーペチュアルキングデーモン」の効果にもターン1はなく、どこから墓地に行くかも関係ないので、この盤面に持ち込んで「おろかな埋葬」や「魔サイの戦士」でラ・ジーンをデッキから墓地に送れば好きなだけ使い回せるので問題点①の解決にも繋がります。
 ラ・ジーンを素材に連続リンク召喚するもよし、これまたターン1がない射出モンスターの「プリーステス・オーム」を加えて無限ループワンキルするもよしです。

 攻撃誘導効果はおまけ程度に考えてよいですが、「くず鉄のかかし」を使えば効果も活かしやすくなります。

 「くず鉄のかかし」があれば、相手は必然的に2体以上のモンスターで攻撃せざるを得ず、「マジック・ランプ」の攻撃誘導も決まりやすくなります。また、相手としては早めに除去したいカードでもあるので、「出たら目」を使う前に除去札を使わせる役割も。さすがかかし先生。
 あとはこれらのカードを上手く盤面に用意できるギミックがあれば……。

闇黒ランプ世界

 というわけで今回はまた【シャドウ・ディストピア】での治療になります。

 まず「闇黒世界-シャドウ・ディストピア-」は悪魔族のトークンを特殊召喚するため、「パーペチュアルキングデーモン」の特殊召喚が容易になります。
 「悪魔嬢リリス」も「くず鉄のかかし」をセットできるため好相性。フリーチェーンのコストで相手モンスターを処理できるため、相手の妨害を行いつつかかし先生の防御をより盤石にできます。
 さらに「プリーステス・オーム」もリリースを行う効果なので相性はよく、他にも「魔界発現世行きデスガイド」や「魔サイの戦士」も無理なく積み込めます。

 となるとあとの課題は「マジック・ランプ」のリクルートもしくはサーチ手段ですが、これには「マジシャンズ・サークル」を使います。

 「マジック・ランプ」と「プリーステス・オーム」両方のリクルートが可能で、「悪魔嬢リリス」でデッキから持ってくることが可能。
 ただし「魔法使い族モンスターの攻撃宣言時」という条件があります。相手が魔法使い族モンスターを使うかはわからないので、当然「悪魔嬢リリス」から「トラップトリック」を経由して自分ターンで使うことになりますが、相手の盤面次第では自爆・反射ダメージが発生しますし、その攻撃する魔法使い族モンスターを別途用意しなくてはならない問題があります。
 求められるのは「戦闘ダメージが発生しづらい」「召喚が容易な魔法使い族」……。
 というわけで「魔法のランプ」を使います。

 はい。「マジック・ランプ」のデッキに「魔法のランプ」を使います
 使います。
 というのが「魔法のランプ」は直接攻撃モンスターなので、当然戦闘ダメージは相手のみ。さらにレベル1魔法使い族なので「ワン・フォー・ワン」や「占い魔女 ヒカリちゃん」で簡単にリクルート可能。その上、用が済んだら「リンクリボー」にして攻撃を防ぐ用途にも使える……とめちゃくちゃ噛み合ってます。
 何よりすごく面白い

相性のいいカード

 誘発とかを入れるスペースはほぼない。

・占い魔女 ヒカリちゃん
・ワン・フォー・ワン
 上記の通り、「魔法のランプ」のリクルート用。

・トップシェア
 サーチできない「出たら目」をサーチする他、ヒカリちゃんを確定ドローしたり、「悪王アフリマ」で即ドローにつなげたり。ただし「悪魔嬢リリス」との相性は悪い。

・リンク・スパイダー
・星杯竜イムドゥーク
 ラ・ジーン(とトークン)を効果モンスターに変換する用。とはいえ効果モンスター指定なのは「鎖龍蛇 -スカルデット」と「アクセスコード・トーカー」くらい。

・暗影の闇霊使いダルク
 デスガイドやトークンからリンク召喚可能な魔法使い族。「魔法のランプ」が来ないときに。破壊されたらサーチ効果も使える。

デッキ構築

 早々に「悪魔嬢リリス」と「闇黒世界-シャドウ・ディストピア-」が出せれば時間を稼ぎつつ準備が可能。そうでない場合は「くず鉄のかかし」や汎用リンクモンスターで頑張るしかない。

メインデッキ(40枚)
・ランプの魔精・ラ・ジーン×1
・魔法のランプ×1
・占い魔女 ヒカリちゃん×3
・マジック・ランプ×2
・魔界発現世行きデスガイド×3
・魔サイの戦士×1
・悪魔嬢リリス×3
・プリーステス・オーム×1
・悪王アフリマ×3
・ハーピィの羽根帚×1
・死者蘇生×1
・おろかな埋葬×1
・テラ・フォーミング×1
・ワン・フォー・ワン×1
・トップシェア×2
・闇黒世界-シャドウ・ディストピア-×3
・マジシャンズ・サークル×2
・くず鉄のかかし×3
・スターライト・ロード×1
・出たら目×3
・トラップトリック×3

EXデッキ(15枚)
・スターダスト・ドラゴン×1
・リンク・スパイダー×2
・星杯竜イムドゥーク×1
・リンクリボー
・パーペチュアルキングデーモン×1
・彼岸の黒天使 ケルビーニ×1
・トロイメア・ケルベロス×1
・トロイメア・フェニックス×1
・暗影の闇霊使いダルク×1
・トロイメア・ユニコーン×1
・アークロード・パラディオン×1
・鎖龍蛇-スカルデット×1
・破壊雙王神ライゴウ×1
・アクセスコード・トーカー×1

 正直言って趣味デッキの範疇は出ないので、環境デッキが相手でなくともかなりきついです。ディストピア盤面を構えられればそこそこ戦えますが、それも除去られたらおしまい。
 とはいえ、無限ループ盤面にさえ持ち込めれば逆転も可能なのがこの手のデッキのいいところ。

 無限ループ実績。

あとがき

 「マジック・ランプ」と「魔法のランプ」が噛み合ったのはネタ的にめちゃくちゃいいなと思ったので医学会で使おうかとも思いましたが「言うほどクソカードか?」という疑問がやはり自分の中にあるのでとりあえず見送りです。「十分クソカードやろ……」と思った方はどうぞレシピ使ってください。URあんまり使わないし。(なぜかパーペチュアルがURでしたが)

 次の医学会はいつですかね。楽しみです。
 次回は医学会用の「邪神イレイザー」ですかね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?