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わび・さび


この頃は知と自分が繋がる瞬間を感じるようになった。

たとえば陰翳礼讃を読み、ずっと気になっていた日本家屋で便所が遠くにある意味を知ったり、わび・さびの本を読みふとした瞬間のあの刹那的な何か失われつつある時間に対する美的感覚は日本古来から受け継がれてきたものだと知ったり。

生きている中で、自らに溶け込んでいてまだ認知できていなかった疑問がふとした瞬間に分かる様になる。この時間がとても面白い物だということを知った。

今日は日曜で、桜も咲いていたからか、Instagramを開けば皆が花見をしていた。私も彼らと同じように花見に出向いた。

小学生の頃は、おじさんたちの酒を飲む横で友達に会えるのが楽しみだったし、中学生や高校生の時は外出する言い訳だった。

今はどうだろう。少し花の美しさに目を奪われつつ、美味しいご飯を好きな人と食べる事が楽しみになっている気がする。

こうやって、年と共にものの楽しみ方が変わっていく事は嬉しい事でもあり、少し寂しいものでもある。

これもまたわび・さびかもしれない。

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