年収の差って結構誤差じゃねという話
コンサルで毎年100万ずつくらい上がる年収
コンサルにいると、大体毎年100万くらいのペースで給与があがる。普通にやってるとそんくらいで、優秀な人はもっと早く昇進するのでもっと早く上がる
ファームによると思うけど、100万ずつくらいゆるっと上がってくのと、ポイントでグッとあがるときがある。若手から、いわゆるPost-MBAと言われるポジションに上がるときなんかだと、数百万単位で上がる
日本全体で見ると、年間での上昇率は1-2%くらいのようなので、これは結構特殊な環境だったと思う。実際事業会社にうつってみると、すごく評価が良いと10%とか上がるこはある。けど基本的にはそういうことはなく、もっとゆるりとあがっていくイメージ
年が近い元同僚の年収幅は800~2,000万くらい
年次でプラマイ2-3年、つまり25-30歳くらいの元同僚のコンサル後のキャリアを追ってみると、感覚値で数字感はそれくらいな気がする。2,000万はかなり高い方ので、中央値でいくと900-1,000万くらいなのだろうと思う(久しぶりに会ったからと言ってゲンキンな話はしないので、あくまで感覚値と酔った際の記憶。また、起業してEXITしましたみたいな特殊例は除く)
なので、2-3年の間に数値で言うと倍くらい違っていたりする。行き先によっては(スタートアップ、等でなくとも)、自分が指導していた後輩のほうがよっぽどもらっているということは往々にしてあるのでないかと思う
じゃあその人々を比較したときに、倍くらいとか、1.5倍とか能力が違うのか?と思ってみると、そんなこともない気がする。何を持って「能力」「優秀さ」とするかは様々だけれど、少なくとも割と六角形で幅広く8割以上スコアすることを求められる(その上で何か武器もてよというのはあるが)コンサルでの仕事を振り返ったときに、倍ほども違う能力値を感じることはない。せいぜいプラマイ1.3くらいのように思う
じゃあなんでそんな差が出るのか
これは、まず第一に当該業界(の、利益率)、②ニーズへのフィット度、そして最後くらいに③能力でないかと思っている。飲食では大体売上100%のうち、30%原価、30%人件費、30%その他(家賃・減価償却・その他経費)、そして10%が利益と言われたりする。現場に入って見ると思うけれど、現場はめちゃめちゃ大変で、皆すげー働いている。でも、給与はそんなに上がらないし、何より絶対値としてそれほど高くない(*他業界と比べて)
コロナで店がバタバタ閉じていたとき、Microsoftが従業員のみならず清掃員にも払います、みたいな記事を見て、(良い意味で)すごいなーと思ったけど、自身が担当している業態のPLとキャッシュフローを思い浮かべてみると、いや、払えんわ。と思ってしまった。そしたら潰れて、長期的に従業員も職を失ってしまう。Microsoftの2020Q3の純利益は30%超。3ヶ月で1兆円以上のカネを生み出している。それくらいあったら払えるよなと・・
もちろん会社によって、お金の振り分け方は千差万別で、社員に給与に大きく振り分けるところもあれば、内部に溜めるところ、株主還元(配当で支払う等)するとこ等様々。だけど、やはりキャッシュを生み出せるモデルがすでにあって、母体の財務が健全なほうがより高い給与をもらえる可能性はあがる
能力をあと10%伸ばすよりも
なので、サラリーマンをやる前提で給与をたくさんもらいたい!と思ったら、まず業界ごとの利益率並べて高いとこ(ITとか製薬とか)を見つけて、その中で会社ごとの利益率なんかも比較して高いところから見てくほうが、給与があがる可能性は高まるんじゃないかと思う
先程の元同僚の話を鑑みても、やはり母体の業界にお金が溜まっているところ(製薬、保険、カジノ等、、規制ビジネスは強い)では給与が高いと感じる。自身を振り返ってみても、大体似たような仕事をしても倍くらいもらえるオファーもあったりして、驚いたことがある
業界はわかりやすい例で、あとは②のニーズへのフィット。例えば「EC企業で戦略考えられる人」みたいな幅で集めれば一定の母数は集まるだろうけど、「製紙業界わかってて、M&Aできて、あとフランス語話せるやつ」みたいな人はあんまいないだろうし、本当に必要だったら2000万でも3000万積んでもきてくれ、となるかもしれない
いつ刈り取るか
②はあまり狙っていくより結果論が多い気がするけど、①は自分で選べるので、稼ぎたいと思ったら、年収ベースでソートしていくのも一つだけど、そういう区切りで見ていくのもひとつだと思う
個人的には、いつ刈り取るかという視点も大事なのだろうと思っている。正直給与を上げたいか?と言われたらYESだし、それを思って目の前の仕事頑張ることもあるけど、本当におカネがもっと欲しかったら、仕事を通すて能力をあげる!よりも能力据え置きで業界や、今この瞬間儲かってる会社を片っ端から探してめがけてくほうがきっと効率良い
だから、特に20代のときって、良いポジション(内容という意味でも待遇という意味でも)があれば取るもよしだし、そうでなくとも、自分の中で「これだけはほしい」というのを一定計算して、それは保った上で、今いけそうな年収の最大値を狙いにいかなくとも、長期的(といっても5-10年とか?)の中で価値が溜まってく仕事を取りに行くという判断をしてもいいんでないかって思う
さいごに
年収ってかなりわかりやすい指標なので、〇〇%UP、とかXXX万UPと聞くと目移りするのだけど、その額が自分の能力の反映というよりも、業界やそのときの(瞬間的な)ニーズという外部要因で動くことのほうがきっと大きいので、あんまりそこに左右されないのが健全だと思う。そして、「今はこれだけあったらよさそう」みたいな数値感を持ってると左右されることが減る。自分は家計簿振り返ってみて、気持ちの赴くままにポチって飲んだ場合これくらい、って数値がつかめたので、「ここまでは下げれそう」「ここまでは逆にほしいな」みたいなのが見えて精神衛生上よくなった
逆にしておかないと、なんとなく口座に入ってくるものに合わせて生活を変えてしまって(それはそれで良いんだけど)、めちゃ面白そうだけど/学びになりそうだけど給与低いみたいなものが出てきたときに飛び込めなくなってしまう気がする
本日の1冊
飲食の小説。這い上がって転落していく男の物語だけど、その中でキーワードとして出てくる戦略(戦術?)は結構参考になっている気がします
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