アキデパのきじ丼・ファニーのミートソース〜秋葉原飲食事情

秋葉原には当時圧倒的に飲食店が少なく、バイトのお昼休憩の時に何を食べるのかいつも悩ましく思っていました。
コンビニはまったくと言っていいほど無く、ファーストフードはミスタードーナツくらい。秋葉原グルメ記事で老舗的に話題になるお店は、逆に言うとそれしかお店がなかったので、結果的に有名になったと個人的に思っています。もちろん美味しかったし、今となっては懐かしい味でもあります。
その中でも懐かしい味だったお店を2つ書きたいと思います。

アキハバラデパート「伊呂波」のきじ丼
飲食店が少ない街で比較的飲食店が充実していたのが、秋葉原電気街口前のアキハバラデパートです。いまはアトレになっている場所です。
ここの1階に「伊呂波」という丼物のお店がありました。いろんなラインナップが揃っていましたが、他のメニューを忘れてしまうくらい、きじ丼の味は記憶に残っています。鶏肉を照り焼きのタレでじっくりと焼いた柔らかい鶏肉で味の濃いものでした。金額は5〜600円程度で、コスパも良いメニューでした。
当時から「きじ」の肉ではないと思っていて、材料偽装してる感がありましたけど、まあ安くて美味しいから普通に受け入れていました。ちなみにお店側もその事を気にしたのか、2006年のアキハバラデパート閉店の頃にはいつの間にか「とり丼」にメニュー名が変わっていました。味は同じです。後になって知ったことですけど、昔の東京では鳥を焼いた物を「キジ」と言うのが普通だったようです。
あとお米の炊き加減に若干ムラがあって、食べると固いお米のかたまりが喉に詰まりそうになるのもここでしか味わえない良い思い出です。

喫茶「ファニー」のミートソース
秋葉原から上野寄りに歩くと末広町という地下鉄の駅があります。その近くに喫茶「ファニー」というお店がありました。
いまは「電子タバコ店 兼 喫煙所」になってます。
「ファニー」店内はタバコ吸い放題、あとジャンプなとの漫画雑誌の最新号が用意されていて、しかも同じ雑誌が複数置いてあるので他の人が読んでて好きな雑誌が読めない!なんてことはほぼありません。当時の秋葉原ワーカーにとっては居心地がいい場所でもありました。
ここのミートソースがトマトがよく効いた濃厚な味で格別で、麺も適度に焼いてあってこの焦げ目の食感がお気に入りでした。
そして何よりウェイターとしていたマスターの男性がまたいい味を出していました。
人が良さそうなとても低姿勢な方で、見た目は年末特番の笑ってはいけないシリーズで浜田雅功さんがよくかぶっているおかっぱズラのような髪型+ちょび髭のマスターでした。ファニーが閉店してから行方がわからなくなってしまいましたが、元気でいらっしゃるといいなと思っています。

以上2つのお店を紹介しました。しかしどっちも今はありません。あの味と食感までを再現してくれるお店があったら、40代のおじさんが集まりそうです。ベビーブーム世代なのでそれなりに集客できそうだと、かなりポジティブに考えてしまっています。どこかチャレンジしてくれるお店があることを祈っています。

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