エレカシにレジャーや行楽など無い
このnote、なんだか僕が恥晒しをするだけの場所になっているのでたまには自分の好きなものについて書こうと思う。
僕はエレファントカシマシが大好きだ。おじさんが髪をぐしゃぐしゃしながら変な動きで「さあ、頑張ろうぜ」と歌っているあのバンドだ。
一度、エレカシを知らない友達にエレカシの話をしたら「エレキカシスオレンジの略かと思った。」と言われたことがあるが、エレカシとは、エレファントカシマシのことである。カクテルではない。
まずはメンバーについて書いてみる。
ボーカルのミヤジこと、宮本浩次。この人は最近ソロデビューしたり椎名林檎とコラボしたりと、なんだか売れてきている。おそらくエレカシに興味のない人でも、この男だけは知っているだろう。
この人はとにかく歌が上手い。まさに象のように姦(かしま)しい音量で歌を歌う。以前ライブを見に行った時は、シャウトの音量のあまりのデカさに「苦しい、帰りたい」とさえ思ってしまった。
本人が歌唱力を誇示するような感じで歌っていないので分かりづらいが、とにかく滅茶苦茶歌が上手いのだ。というか音域がバチボコ広い。普通の人間の2倍くらいある。男性は一回「俺たちの明日」でも歌ってみてほしい。多分全然歌えないから。
そしてとにかく何を言っているか分からない。どんな質問をされても「何しろ僕は…。」と関係ないことを延々と話すし、Mステでは毎回タモさんの質問に一問も答えられないままに演奏へと向かう。そのくせワンマンライブだとほぼMCなしで30曲くらい歌いまくるので意味が分からない。そして髪がフサフサ。
これは池田エライザが歌のパフォーマンスで隣に来た時の写真。突然エライザに隣に来られたら、流石のミヤジでもムホホとなってしまう。
ギターの石森敏行。通称石くん。彼はボーカルミヤジが相棒と呼ぶ頼れる男であり、ソロにおいてもミヤジの宅録を手伝ってくれたりするらしい。テレビでは一切喋らない。
正直、「エレカシの石くんに憧れてギターを始めました!」なんて人はこの世にいないんじゃないかと思うくらい影が薄い(ミヤジのインパクトが強い)のだが、ライブでは泣きのギターソロを弾いたりもするし、意外と奇抜な見た目をしていたりもする。
こんなに派手な髪色なのにミヤジより目立たない。
ベースの高緑成治。通称成ちゃん。とにかくダンディーでイケオジ俳優のような見た目をしており、松本人志には「ウルトラセブンに変身しそう。」と言われていた。テレビでは一切喋らない。
性格同様、ベースの演奏もあまり派手さはないがピックで黙々と弾く姿はとにかく格好良い。ライブ中ミヤジによく帽子を取り上げられるが、ベースを弾き続けなくてはいけないので返してもらえるまで我慢しているというのを頻繁に見かける。また、ハロー人生‼︎という曲では恥ずかしそうにコーラスをしている。
こんなにダンディーなのにミヤジより目立たない。
ドラムの冨永義之。通称トミ。とてもパワフルなドラマーであり、演奏を間違えてミヤジにマイクを投げつけられたり、大病を患ったりと色々あるが、絶対にへこたれないレベルでパワフル。テレビでは一切喋らない。
ライブでは、ミヤジがその時のテンションに合わせて曲のテンポを滅茶苦茶速くすることがよくあるが、それにも文句一つ言わずに食らいつく、男気溢れる人間である。僕はドラムのことは正直全然分からないので憶測でしかないが、ベテランなのでまあ多分すごく上手いと思う。
多分すごくドラムが上手いが、ステージの後ろの方にいるためミヤジどころか誰よりも目立たない。
ここが好きだよ、エレファントカシマシ
ここからは僕がエレファントカシマシを好きな理由を書いていこうと思う。やっと本文。なお、歌や曲が好きなのは勿論なのでそこは一旦省こうと思う。
①マーケティングが死ぬほど下手くそ
これはエレカシの記念すべき1stシングルであるが、まずタイトルの意味が分からない。これはイントロのギターリフが「デーデー デッデッデレデン」と聞こえるところから来ているらしいが、どう考えても適当に付けすぎである。
仮に小田和正が「ラブ・ストーリーは突然に」を「チャカチャーン」というタイトルで発表したらあそこまで売れただろうか。カンチはセックス出来ただろうか。答えはノーである。
しかし、そのような暴挙を地で行ってしまったのがエレカシである。
例えば今流行りの「うっせぇわ」なんて、曲のタイトルとは思えないような引っかかるワードが使われている。「夜に駆ける」など、タイトルだけで曲の世界観や背景が浮かんできそうな情緒のあるものだ。ヒットソングは大抵引き込まれる様なタイトルが付けられている。
その点、エレカシはイントロの「デーデー」をただそのままタイトルにしてしまったのだ。勿論全く売れなかった。また、デーデが入っているアルバムには「てって」という曲も存在する。当然イントロは「てって てって てっててって…」といった具合である。その手法やめてくれ。酔っ払ってんのか。
「デーデ」の歌詞の内容もまた、あまりにも露骨すぎるものである。要は「金が全てだ。金があればいい。」と歌っているのだ。発売は1988年。オッケーバブリー。
ミヤジは「デーデはエレカシなりのポップだ」と何かのインタビューで言っていたが、バブルに浮かれていた世の中に対する皮肉にしか聞こえてこない。こんな売れなさそうなトゲトゲの曲を1stシングルで発表しちゃう、好きな女の子に素直に気持ちを伝えられずにあろうことかその子の筆箱を隠してしまう男子小学生のようなエレカシの不器用さが、僕は大好きなのである。
②ロックバンドとして破天荒過ぎる
エレカシは宮本浩次の完全ワンマンバンドである。バンドの中で作詞作曲をするボーカルが目立つというのはよくあるが、エレカシにおいてはそれがあまりに露骨過ぎるのである。
これは「遁生(とんせい)」という曲なのだが、とにかく聞こえるのはミヤジの絶叫とミヤジの弾く下手くそなギターのみである。一応ベースやドラムなども鳴ってはいるのだが、その音量は何かの間違いかと思うくらいに小さい音でミックスされている。ワンマンバンドっぷりが楽器の音量にそのまま反映されているのだ。ここまで露骨なワンマンバンドは世界広しと言えど、そうないだろう。
また、この「遁生」は演奏時間が12分もある。クイーンのボヘミアンラプソディ(6分)は、発表当時に「ロックバンドの曲のくせに長過ぎる」と批判されていたが、丁度それの2倍である。長えなんてもんじゃない。
曲の最後の方では、こっちが心配になるくらいミヤジの声が枯れてきていて、正直最初は聞くに耐えなかった。引きこもり男の苦悩を歌った歌詞も暗い。12分間叫ぶに叫んで結局、「家で寝て暮らそう」と終わる。当然クソ売れなかった。だが、こんな無茶苦茶な曲ばかり作っちゃう破天荒なところがエレカシの良いところだと僕は思う。そして遁生はものすごく良い曲だ。
③同じような曲が多すぎる
スピッツは全ての曲が「死と性について」歌われているらしいが、エレカシは全ての曲が「頑張るぜとくだらねえぜについて」歌われていると言っても過言ではない。エレカシの曲を軽くシリーズ別で分けてみようと思う。
〜明日も頑張るぜ系〜
明日があるのさ
明日に向かって走れ
明日を行け
明日への記憶
俺たちの明日
ベイベー明日は俺の夢
明日以外すべて燃やせ(宮本浩次feat.東京スカパラダイスオーケストラ)
〜月を見ながら頑張るぜorくだらねえぜ系〜
今宵の月のように
月夜の散歩
月の夜
月と歩いた
moonlight magic
〜〇〇男系〜
浮雲男
花男
珍奇男
季節はずれの男
習わぬ経を読む男 など他多数
〜動いたり止まったりする男系〜
歩く男
かけだす男
待つ男
男は行く
おまえと突っ走る
〜戦う男系〜
戦う男
ファイティングマン
もう本当に同じような曲ばかりなのだ。戦う男とファイティングマンは英語圏ではどうやって区別されているのだろうか。また、アルバム名も「生活」があれば、「ライフ」というものもあったりする。
大体、月で曲を作りすぎである。どれだけ月が好きなのか。藤原道長か。
エレカシは常に何かと戦っており、夏にビーチへ繰り出す曲やクリスマスソングなどは一切無い。エレカシにレジャーや行楽など無いのだ。年中無休で人生を同じ角度で見つめて歌い続けている。だからハマる人にはとことんハマるし、そうでない人にはいちいち喧しくて聞いてられないと思う。僕は勿論前者だ。
エレカシは曲数が多く、正直好きなところは全然書ききれてないのだが、とてつもなく長くなりそうなのでここで一旦終わろうかと思います。好きな曲のリンクいっぱい貼って布教しようとか思ってたけど、それも全然出来ませんでした。また気が向いたら好きな事について書かせてください。
そして、素晴らしきバンドであるエレファントカシマシの曲を聞いてみてください🐘
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