ブチャの衛星写真の撮影日時を検証しました。

ロシアの主張は間違っているとする下記のサイトの情報を元にブチャの衛星写真を検証しました
https://www.info-res.org/post/disinformation-denial-russia-s-attempts-to-discredit-open-source-evidence-of-bucha

このサイトは、虐殺の証拠のひとつとなっている衛星写真の撮影された日が、撮影した会社の主張どおり3月19日であると言っています。
今回は、とりあえずロシア側の意見は無視して検証しました。

1)    太陽の方位で時刻を確定
3月19日に撮られたのが正しいと主張する上記のサイトによると
衛星写真に撮られた場所(ブチャ)の緯度と経度は、50.541771と30.230175です。
そして撮影日時は3月19日の11時08分(UTC+2)となっています。

これを元に太陽の位置を計算すると、太陽の方位は161.3度となります。
衛星写真をグーグルの地図と重ねて影の方向をチェックすると、この数字に一致します。
つまり検証サイトの主張(161度)と合っています。。
これで日付も確定できるか?
いえいえ、同時刻であれば太陽の方位は1週間や2週間経過してもほとんど変わらないのです。
例えば写真が4月2日の同時刻に撮られたとして計算しても、方位は161.2度です。
これはわずか0.1度の差!
※   しかも、むしろこちらの方が、サイトの主張に近かったりします。
ただここで判るのは、撮影された時刻が11時08分(UTC+2)でほぼ間違いないということだけです。

2)    太陽の高度で日付を推定
では、日付はどうやれば判るか?
実は太陽は、日付が変わると同時刻でもかなり高度が変わります。
つまり影の長さが変わるのです。

まず、ブチャの緯度と経度である50.541771と30.230175、撮影日時の3月19日11時08分(UTC+2)を元に計算すると、太陽の高度は
①    3月19日なら37.5度
②    4月2日なら43度
となり、かなり違いがでます。

次に、サイトにある写真から太陽の高度を計算してみましょう。
前述のサイトに市街地を走る軍用車からの写真がありますので、これを衛星写真と比べて見てみます。
衛星写真の真ん中やや左にある電柱が、軍用車からの写真にも写っていますのでこれを使います。
軍用車の写真に写る電柱の高さは、歩道を除いた車道の幅と偶然にもほぼ同じ、私のパソコンの画面では両方とも4cmです。
では、衛星写真の車道の幅と電柱の影はどうでしょう。
私のパソコンの画面では、車道2.8cmに対して、電柱の影の長さ3cmです。
これを元に計算すると、衛星写真の電柱の影は、電柱本体の1.071倍になっているということが判ります。
ここで三角関数(コタンジェント)を使えば、光源の角度が分ります。
計算すると43.02度。
これが、写真から計算できる太陽の高度となります。

前述のブチャの位置情報と撮影日時から計算した太陽の高度と比較すると、②の4月2日の43度とほぼ一致しますね。

つまりこの衛星写真は、撮影した会社の主張とは異なり、ロシア軍が撤退しウクライナ軍が入った後に撮られた写真だろうということが判ります。

マクサー君、またやったな!!

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