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#cluster のQuest2単体対応を機にVRデビューしてみた(前編)

 こんばんは! はじめましての方は、はじめまして!

最近世間で何かと話題の「メタバース」に生息しています、紅花(こうか)です!

さて、最近私は、Meta(旧Facebook)社のブランド「Oculus」から販売されているワイヤレスVRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Quest2」を購入しました。

きっかけは、VRSNS「cluster」のQuest2単体対応です!

今までclusterは、スタンドアロンであるQuest2であっても他のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)と同じようにVRアプリが動作するレベルのPCに繋いでアクセスしなければなりませんでした。

ところが先日12/9のアップデートによりなんとPC一切不要、完全にQuest2のみでclusterにアクセス出来るようになったのです!

このQuest2単体対応は11/1に行われた「clusterカンファレンス」にて公式から事前に告知されており、私はその発表を聞くや否やすぐにQuest2を購入しました。

そしてついにアップデートを迎えた12/9、晴れて人生初VRデビューを果たしたのです!!

Oculus Quest2

今感じているこの新鮮な感覚はそのうちVRに慣れていくとだんだん薄れていってしまう今しかない貴重なものだと思ったので、忘れないうちにこのnoteに書き記しておきたいと考え、筆を執っています!

VR初心者なお仲間の皆様も、これからVR購入を検討されている皆様も、スマホやデスクトップでバーチャルを楽しむ皆様も、VR玄人の皆様も、このnoteから何か感じていただけるものがあれば幸いです。

…と記事を書いていたところ、想いが爆発しすぎてちょっと長くなりそうだったので記事を前半と後半に分けたいと思います!

前編は、実は今までVRにコンプレックスを持っていたという話と、Quest2を購入するに至った経緯についてお話しします。

Quest2を手に入れたあとのお話は後編の記事で近日詳しく書きたいと思いますので、前編を読んでお待ちいただけたら嬉しいです!



第1章/私のメタバース事情


 さて、「VRSNS」改め「メタバース」における私のいままでの環境は以下のようなかんじです。

◆使用デバイス
・Androidスマホ
・家庭用ノートPC(Windows)
※Quest2を買うまでVRデバイスは所持なし。VR体験自体も人生で2回のみ。

◆よく使うプラットフォーム
cluster、VRChat、DOOR など

何を隠そう、一番入り浸っているのはclusterです。これにはきちんと理由があります。私のVRデビューを語るにあたって、その前提となるストーリーからお話したいと思います。

なぜclusterを最も好んで利用しているのか?

理由は本当にたくさんあって言い出すとキリがないですがその中でもひとつ大きな理由があります。それはスマホ・デスクトップ・VR関わらず、みんながそれぞれのやり方で自由にそして対等に交流や意志疎通ができることです。

〈VR勢でないことにずっとコンプレックスがあった〉

 私は当初パソコンとは無縁…という程ではないですが、いわゆる「Word・Excel、使えます」レベルの一般層でした。

ところが2018年、バーチャルYouTuberにハマったのをきっかけにVRMや3DCGに興味を持ち、そしてついにはバーチャルSNSにハマりました。

そうして興味の向くままにどんどんのめり込んでいった結果、VRを体験してみたくなりました。しかしバーチャルSNSをVRで楽しむためには、自分のPC環境では何もかもが全然足りないことを知り、愕然としました。

VRHMDだけでも何万円と高額、さらにそれを動かすハイエンドPCを用意するとなると費用はウン十万円の世界です。

私は一応社会人として働いているので収入はありますが、VRのためだけにこの金額を出すのは、なかなかどうしても踏み切れなかったです。

この切実な問題は、私だけの特殊な話ではないと思います。何にお金をかけるかの優先順位はもちろん人それぞれですけど、いろいろな事情を抱えて好きなことにお金や時間をかけられない人は世の中に大勢いることでしょう。

むしろ私なんか、自宅にインターネット回線が通っていてノートパソコンやスマホを持っているだけ、恵まれているというものです。

では、何を今さら気を落としているのかというと、私が感じてしまったのは「非VR勢である」という、コミュニティからの疎外感です。

「VRとデスクトップとでは没入感がまるで違う!」

このような意見を一度は見聞きしたことありませんか?あるいは、実際に誰かに言ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。

VRの良さを伝えたい時や人に勧めたい時によく使われる常套句なのですが、この言葉が私の心には悪い意味で刺さりました。私の中で劣等感が生まれてしまったのです。

バーチャルにいる人々は非常に優しい方が多いので、決してVRを他人に無理強いするようなことはないし、懐事情もふまえて「これなら少しでも安く抑えられるよ!」と工夫して伝えてくれる人もいらっしゃいます。

そもそもVRがデスクトップよりも没入感があるのは紛れもない事実ですし、たしかにそれがVRの大きな魅力です。

ただそんなくだらない劣等感のせいで、非VRの人は「没入感を知らない」=「本当のバーチャルを知らない」かのような、バーチャルの住人として認められていないかのような、そのように錯覚して聞こえてしまうことが多々ありました。

しかし、clusterでの体験が私をそのコンプレックスから解放してくれました。具体的には、「没入感」の代わりに「身体所有感」を得たのです。

〈clusterで得た「身体所有感」とは?〉

 VRでは身ぶり手振り、リアルの身体と連動してバーチャルの身体が動いてくれますよね。フルトラッキングではなくとも、コントローラを持ってリアルの自分が腕を上げれば、バーチャルの自分も腕を上げることができます。

つまり、実際にリアルの脳と神経を通って出された指令がバーチャルに反映されるのです。自分がこうしたいと思った事を瞬間的に自覚しながら身体をコントロールし、表現出来ます。

これに対してたとえばVRChatにデスクトップで入った時はどうでしょう。キーボードのコマンドを使って移動する・ジャンプする・しゃがむ・手で物を掴む等、バーチャルの身体を動かすことは出来ますが、キーボードはリアルの身体と違って神経が通っていませんから、自分がどんな動きをしたのか感覚的にはわかりません。

視点は一人称のみで、自分の手足が部分的に視界に入ったりジャンプした時に視界が上下したりすることはあっても、基本的にはその場(バーチャル空間上)に鏡がなければ自分の行動を認識することがリアルよりも難しいです。

Comic Vket2にて、VRCデスクトップ版で撮影したスクリーンショット。
一人称視点のため、自分の身体は手元しか見えない


つまり、バーチャルの心身とリアルの心身がうまく同期しないのです。これは私の性格によるもので感じ方や好みは人それぞれだと思いますが、私の場合は、VRに対するコンプレックスを払拭出来る程の体験はVRChatでは得られませんでした。それこそ「没入感」が足りないという状況です。

私は人見知りで、思ったことを瞬時に言葉にするのが苦手で、絵や図を使って視覚に訴えるとか、推敲できる文章で伝える方が好きです。

そのため口数は少なく、そのぶん身ぶり手振りに頼ってコミュニケーションを取ることが多いタイプの人間です。だから、自分の動きを認知できない環境では余計に辛く感じてしまったのかもしれません。

繰り返しますが、VRChatのデスクトップ版を巧みに使いこなして周囲とのコミュニケーションを楽しんでいる方はたくさんいます。あくまで個人の感想ですのであしからず。

一方でclusterには「三人称視点」という機能が存在します。スマホ版やデスクトップ版で入った場合、三人称と一人称の視点を自由に切り替えることができます。三人称視点にすれば鏡を使わなくても自分の存在を確認することができます。自分が歩いている、ジャンプしている、そういった自分の行動が操作と同時に客観的に視界へ入ります。

Comic Vket1にて、clusterスマホ版で三人称視点から撮影した写真。
画面中央の黒髪のアバターがワタシです


また、視点の切り替えは非常にシームレスで、一人称視点での自分の目線の高さと三人称視点からの自分の外見をすぐに交互に確認できます。これによって自分の身体が空間に対してどれくらいのスケールなのか(逆も然り)を実感することが容易です。

すなわち「空間把握」です。カメラで自撮りが出来るのも、バーチャルでの自分の存在認識を助けてくれました。

2020年のポケモンバーチャルフェストにて、自撮り写真


それに加えて「エモーション」というリアクション機能があります。

VRChatにも「エモート」はありますが、UIが違います。メニューを開く必要はなく、エモーションボタンを常に画面に表示しておけるので、「いまこの感情を伝えたい!」と思ったらすぐにボタンをタップしてリアクションできます。

リアルの感情とバーチャルのリアクションにタイムラグがほとんどありません。前述したとおり、三人称視点により自分がどんなリアクションをしたか客観的に視認することが可能です。

エモーションでリアクションを取ると、自分のアバターの頭上にエフェクトが現れます


また「エモーション」機能の特徴としてもうひとつ、「音」があります。エモーションの種類によってそれぞれ異なるリアクション音が鳴ります。にっこりマークであれば「ふぃっふぃー♪」と陽気な音が、クラッカーのような盛り上げリアクションには「ぴゅ~い!」と口笛を鳴らしたような音が出ます。

つまりユーザーはボタンを押した瞬間、視覚と聴覚から自分の行動やテンションを非常に感覚的にそしてスピードをもって自覚することが出来るのです。

私の場合、これにより一気にリアルの心身とバーチャルの心身がリンクし始めました。「身体所有感」です。たとえ目の前を360°バーチャル空間に囲まれるような没入感がなくても「私、今“ここ”にいる!!」となったわけです。

このような「身体所有感」を得てコンプレックスを乗り越えた私は、バーチャルでの活動がより一層楽しく感じられるようになりました。

あくまでどのデバイスから入るかは手段でしかなく、バーチャル体験そのものに集中できる環境、それが私にとってのclusterという場所です。

その影響なのか今ではVRChatなどの他のバーチャルSNSを使っている時でもバーチャルの自分を認めてあげられるようになって、以前よりは気兼ねなく振る舞うことが出来るようになりました。

clusterでは私のようにエモーションや動きでコミュニケーションを取るのが性に合う人も、ボイスチャットでお話しするのが合う人も、テキストチャットでお話しするのが合う人も、みんなそれぞれ自分が自分らしくいられる方法でお互いコミュニケーションを取っています。

それもスマホから、パソコンから、VRからとごちゃまぜで。とても健全で自由で、対等であると感じます。

健全で、自由で、対等である場というのは新しい文化や芸術を育むのにうってつけです。安心感や居心地のよさから、各方面の色々な種類の人間が集まってくるからです。

まさにclusterの理念でもある「創造を加速させる」という地盤が整っているように見えます。だから私はclusterに吸い寄せられるように入り浸っちゃうんですね。

ちなみに、私も所属している「cluster新聞部」というclusterユーザーによるコミュニティがあるのですが、なんと編集長をやっているのはスマホユーザーの高校生の方なんです。

編集長を筆頭に「ClusTimes」という新聞をみんなで作っています。すばらしいことですよね。clusterでの出来事やニュースを記事に書いてみたいという人であれば誰でも参加できますので、ご興味のある方はDiscordサーバーに参加してみてくださいね!

第2章/待ちに待ったclusterのQuest2単体対応


 さて話は戻りますが、そんなclusterがついに待望のOculus Quest2単体対応をしました!!!

いやさっきまで非VR勢云々のコンプレックスは乗り越えたって話をしたばっかりじゃん!?と思うかもしれませんが、だからこそです!

デバイスにとらわれるべきではないというのはVR機器が全く不要だと言っているのではなく、VR機器を単に手段として捉える(=バーチャルを体験する為の必須条件ではない)という意味なので、当然、手段として選択肢は多ければ多いほど良いのです!

Quest2の通常価格は3万7180円(税込)(2021年12月現在)。世界的に売れた家庭用ゲーム機Nintendo Switchの3万2978円(税込)との差額は4千円ほどです。

決して安い買い物ではありませんが、それでもパソコンとHMDを買い揃える場合のように予算が十万円を超えるようなことは絶対にない。

今までVR機器が欲しくても手が届かなかった人たちにとって確実に選択肢は増えました。

そしてなによりもclusterのためにQuest2を買おうと決めた一番の決め手になったのは「Quest2単体でも他のデバイスと共通の世界を体験できる」という点でした。

これまた比較するようで心苦しいですが一例として引き合いに出しますと、たとえばVRChatのQuest2版はQuest2ユーザーだけPCVRユーザーと同じ空間に行けなかったり専用のアバターを用意する必要があったりして、これをネックに感じるユーザーは少なからずいました。

そんな中、clusterのQuest2対応に際して「すべてのデバイスが共通の世界を体験できる」と発表されたのを受け、いよいよ私はclusterのためにQuest2を買おうと決心しました。

やっぱりみんなとは同じ空間で会いたいし、体験を「共有」できればそのぶん倍楽しいです。もしそれができないのなら、いくらお手頃価格とはいえもしかしたらQuest2を買おうとは思わなかったかもしれません。


そして、私はVRデビューを果たしました。
 
実際にQuest2でVRデビューしてみてどうだったか?は、これもまた溢れる思いや感じたことがたくさんありますので、また後編でまとめてお話ししたいと思います!

それではここまで前編をお読みいただき、誠にありがとうございました!!
後編も時間を見つけて書いていきますので、よかったら(ゆるりと気長に…笑)、お待ちいただけると嬉しいです!


ライター:紅花(こうか)



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