『俺ではない炎上』

▷『俺ではない炎上』 浅倉 秋成著

▷久し振りにエンタメ作品の大当たりを引きました。これだから、辞められない、エンタメ達は。

この『俺ではない炎上』。滅茶苦茶面白いです。嘘じゃないです。もし、面白く無かったら、金払います。

あらすじとしては、たいすけと呼ばれるSNSアカウントが、当人と死体と一緒に並ぶ写真が出ているのを見て、それを人々に知らせるためにRTした大学生初羽馬。そのRTは大バズリして、世間の目にも知るようになる。
では、そのたいすけとは誰なのか?ネットの捜索班が動き出し、過去のツイートから、大帝ハウスの山縣泰介だということを判明する。
しかし、山縣はSNSをしておらず、インターネットも知らない男であった。
皆は自分が殺人をしていないと信じてくれると思っていたが、世間の反応は、インターネットの意見に従っていて、山縣は謹慎。
そして、妻と娘にも今は家に帰ってくるなと伝える。家に帰ると、何人かのパパラッチとニヤニヤする人達。
やっとの安堵感で帰って来て、家に着き、ポストを見ると倉庫のカギが。。
倉庫のカギを開けると、女性の死体があった。これは、真実。しかし、自分は犯人ではない。では、犯人は誰なのか?犯人探しと過激な自警察が山縣を殺しに襲い掛かると言われる報道もあった。仲間もいない、家族の事も心配しながら、山縣は逃走をするサスペンス小説。

もうこの時点ではまだ序盤でございます。ここから、物語が動き出すのですが、この小説はいくつもの視点で動きます。
山縣夫の視点と山縣娘の視点と初羽馬の視点と刑事の視点で動きます。
全員の視点で物語が動くのですが、滅茶苦茶上手いし、飲み込まれる。
何でこいつを信じないんだよ。。とかこいつもしかして犯人か?という自分も小説の中に入ったような感覚になります。

そして、後半になるにつれて、自分自身の考察が盛り上がっていき、最後にはどんでん返しをくらいます。もしかしたら、僕は罪を犯しているのかもと感じます。 

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