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パブコメ送りました:湖南市読書バリアフリー計画(素案)

 
わりと湖南市にパブコメ送りがちな人、やまもとです。

またパブリックコメントを送りました。湖南市の、いわゆる読書バリアフリーに関する計画案についてです。案は以下のようなものです。


私、図書館協議会の公募委員だったこともあり、さらに今でもちょくちょく協議会を傍聴したりしていることもあり、これには関心大なのです。
 
ではパブコメという名の私の愚見を、さらしてみます!!
 

支持・賛意
 今回示されている素案について、特に支持・賛同する点を挙げます。
 第1に、基礎自治体レベルでの読書バリアフリー計画の策定は、滋賀県内でも先進的な取り組みであると認識しています。読書バリアフリー環境の整備に向けた、市の積極的な姿勢を、支持します。
 第2に、計画素案に、「…視覚障がい者等以外の、読書や図書館利用に困難を伴う人へも配慮し、誰もが利用しやすい環境づくりを図ります」(p.1の下部)、「視覚障がい者等だけでなく、すべての利用者が利用しやすい図書館を目指し、ピクトグラムやわかりやすい表現の利用案内など、館内案内の充実に努めます」(p.3の中ほど)といった記述があります。読書・図書館利用における「バリア」について広くとらえて対応しようとする考えに賛同します。
 第3に、細かい点ですが、p.7上部の用語解説について参考資料を明記している点が好ましいと考えます。これは、なるべく一般に用いられている用語を本計画でも用いようとしていることを意味し、また、確認したい人が確認できることを担保するからです。

具体的なニーズの把握について
 本計画案は、視覚障がい者等の方々のニーズに応えようとするものであるものの、現時点でそうしたニーズの把握が十分に具体的にはできていないのではないようにも思われます。例えば、p.3下部の「方向性3」については「基本的考え方」のみが掲載されていて、その「基本的な考え方」の2文も「…必要な支援などを行います」「…情報を提供することに努めます」というのみで、具体的な内容は今後の検討にかかっているように読めます。
 本計画を策定しようとしていることが先進的であると思われますから、こうした状況であるのにやむをえない面があるでしょう。他方で、一般に、行政が策定する計画は、具体的に着実な実行が期待されると思います(そうでないなら計画を立てずそのときどきの行政の担当者の裁量に委ねればよいだけです)。
 そこで、次のような内容を追加(明記)することを提案します。すなわち、「本計画の実施中においても、読書バリアフリーについて、当事者や関係団体などと交流するなどしながら情報の収集とニーズの把握につとめる」ということや、「計画期間中に明らかになったニーズがあれば、具体的に対応策を随時検討し、可能な限り実施していく」ということ、さらに、「ニーズが明らかで具体的な対応策も検討できているが、即座に実施するのが困難であるものについては、次期計画に盛り込んで計画的に推進する」といった内容です。また、これらに付随して「ニーズの把握に進捗などがあれば、適宜図書館協議会等の公開の場で報告する」という内容もあれば、より一層、「行政の独断」ではなく適切な手続きを踏んでいくことを表現できると考えます。
 すでに、本計画案のp.4に、「6 計画の推進と取組内容」の「(3) 取組内容」に、「…毎年進捗状況を確認し、第二期計画には数値目標を設定するとともに、計画を見直します」「…国から具体的な目標や基準などが示された場合は、第二期計画を策定前であっても本計画の目標などについて見直しを行います」とあります。これらは本計画について柔軟に見直す姿勢と、第二期計画に向けた姿勢を示しています。私の提案は、この部分に関連していますが、これからのニーズの把握が重要で、それによって取り組みが変化しうることを明示的に盛り込む、という趣旨です。

「用語解説」について
 私は、視覚障がい者の方向けの読書のためのサービスについて、知識が乏しいのですが、本計画については私のような者も含めて広く市民が考えていけるとよいのではないかと思います。そのために、本計画案に用語解説が付されているのは好ましいと考えます。
 他方で「デイジー図書館」(p.2の中ほど)、「デイジーデータ」(p.7の用語解説のサピエ図書館の欄)について、私にはその意味がわかりませんでした。そこで提案ですが、可能であればこれらの語も解説してもらえればと思います。それにより、より一層、広い範囲の人々にわかりやすい計画となるのではないかと思います。

細かい修正点
 細かい点で修正の余地がありそうな点を挙げます。
・p.2の上部の「視覚障がい者等が利用しやすい書籍等の利用」に列挙されているのは、「録音資料」「点字絵本」など、基本的には「資料の種別」の名称ですが、「障がい者等を対象とした布絵本の貸出」だけが「サービス」の名称になってしまっています。そこでこれを「障がい者等を対象とした布絵本」という「資料の種別」の名称にするか、他の項目も「…の貸出」等の表現にそろえることを提案します。その方が読みやすいと思うからです。
・p.7上部の用語解説の、「LLブック」の欄に、「…生活年齢にあった内容をわかりやすい文章や文章の意味を示すピクトグラム、イラストや写真を使った本のこと。」とありますが、このうち「生活年齢にあった内容を」の「を」がどこに係るのかがわかりませんでした。そこで提案ですが、この部分を、例えば「…生活年齢にあった内容について、わかりやすい文章や文章の意味を示すピクトグラム、イラストや写真を使って表現した本のこと。」とするとよいかもしれません(この場合は「生活年齢にあった内容について」が「表現した」に係ります)。あるいは、「…生活年齢にあった内容を表すわかりやすい文章や文章の意味を示すピクトグラム、イラストや写真を使った本のこと。」とすることもできそうです(この場合は「生活年齢にあった内容を」は「表す」に係ります)。
・p.7下部の「湖南市所蔵のアクセシブルな資料の現状」では、資料種別として「大活字本(市販)」と「大活字本(寄贈)」が別に挙げられていますが、「市販」と「寄贈」の区別がよくわかりませんでした。例えば「市販されている本を市民が購入して図書館に寄贈する」ということがありえそうです。つまり「市販」と「寄贈」は必ずしも排他的ではありません。おそらくここで意味したいのは、「市販されている商品としての大活字本」と「作者が『一点もの』として作成した大活字本」の区別か、または、「図書館で購入した大活字本」と「図書館以外の主体から寄贈された大活字本」の区別だと思われます。この意味が明確になるように修正してもよいかもしれません。
・同じくp.7下部の「湖南市所蔵のアクセシブルな資料の現状」で挙げられている資料種別の名称は、p.2の上部の「視覚障がい者等が利用しやすい書籍等の利用」で挙げられている資料の種別の名称と、統一されていないようです。例えば、前者では「点字付き絵本」、後者では「点字絵本」という名称が用いられています。p.7の「湖南市所蔵のアクセシブルな資料の現状」は、p.2上部で述べる「現状」について直接的に示す参考データだと思うので、名称を統一することを提案します。その方がわかりやすいと考えます。

よろしくお願いしますね、湖南市さん!


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