マガジンのカバー画像

800字小説

11
約800字のショートショート。週に一回程度更新します。どんでん返し多めです。予想を裏切る結末を目指しています。
運営しているクリエイター

記事一覧

恵方巻きの効果

 今年の恵方は東北東だ。俺はさっそく東北東に向き恵方巻きにかぶりついた。恵方巻きは願いを…

塚田浩司
4か月前
6

800字小説11「五人囃子」

山城さんが辞めた。山城さんはうちの工場に親父の代から務めていて、人柄、知識、技術とどれも…

塚田浩司
1年前
18

800字小説10 『それが1番のサプライズ』

 結婚前から、あらゆる場面で妻にサプライズを仕掛けてきた。  初めて誕生日を祝ったときは…

塚田浩司
1年前
18

800字小説8『タイムリープはお布団の中』

 昔から39度を超える高熱を出すとタイムリープしてしまう。  タイムリープ先でも俺は39…

塚田浩司
1年前
13

800字小説7 『指紋』

 いつからだったか、買い物をする際の現金決済がほぼなくなり、国民の大半はクレジットカード…

塚田浩司
1年前
24

800字小説6 『遅れてきたサンタクロース』

 窓の外の雪だるまを見ながら、また怒りが込み上げてきた。翔はここ数日ずっと不機嫌だった。…

塚田浩司
1年前
19

800字小説5『富豪と結婚』

 彼は齢90を超えていたが、金、地位、女。欲しいものは全て手に入れることで有名な大富豪。その彼が今欲しいのは私だと言う。 「幸せにする結婚しよう」  彼は私に言い寄った。顔色が悪くシワシワな顔は、見ているだけで不快だった。私は面食いなのだ。  でも、私はプロポーズを受け入れた。  何故か? それはもちろん遺産目当てだ。彼の子供たちからは散々、金目当てだと非難された。周りは皆敵だし、彼の醜い顔を見るのも嫌だったが数年我慢すればいいだけだ。私は自分に言い聞かせた。    

800字小説4 『男の宿命』

「女にモテない男は男ではない」  尊敬する父はいつもそう言っていた。男と言うのは女性の目…

塚田浩司
1年前
11

800字小説3『タイムカプセル』 

 小学生の頃、家の庭にタイムカプセルを埋めた。カプセルの中には「二十年後の僕へ」という題…

塚田浩司
1年前
11

800字小説2『散骨』 

 雅美は白い小瓶を開け、その中身を海に放った。白い塊が海に落ち、白い粉が辺りを舞った。雅…

塚田浩司
1年前
8

800字小説1『天国か地獄』 

 寂れた商店街の一角に有名なじいさんがいる。そのじいさんは占い師で、死後に天国に行けるか…

塚田浩司
1年前
8