8月の雨 2
前回↑からの続き
海岸を歩いていた。日差しがキツイ。
オレがバンパイアならとっくに灰になってるくらいの光と熱だ。
ビールが飲みたい。
人間には新鮮な血なんかじゃなく、キンキンに冷えたビールだ。
そうだ、確か民宿のオバちゃんが昼飯と一緒に
持ってきてくれたはずなんだが・・・ないね。
ンっ?なんだ足元にあるじゃないか。
懐かしいなプリモだよ。
手を伸ばして掴もうとすると、
まるで人間を警戒するする子猫のように、ヒョイッと逃げ回る。
なんて悪い子なんだ、ビールのクセに。
あんまり動くと開栓(あ)けた時に吹き出すじゃないか。
いい子だからじっとしてろよ。
そういえばプリモはスクリューキャップだったな。
そっと近づくと一気に飛びかかった。
「掴むな!離せ!バカヤロー」
手のひらにやけに柔らかい感触が伝わってきた。
プリモじゃない!フォルムが違いすぎっ?