最後の夏。

これは僕の持論なんだけれども。

終わりを意識すると、今、ここに集中できる。

そんな気がする。


星にも寿命があるように、全てのモノには終わりがあって、。そう気付いたその瞬間に、僕の心の中には一つの緊張感が生まれる。

数を数える時だってそうかもしれない。「1、2、3・・・」と数えていくと、今後もこの先もずっとずっと続いていくような永遠を感じる。

だけど、「3、2、1・・・」と数えていくと、そこには一種の緊張感が生まれないだろうか。物事が終わりへ向かう緊張感。切なさすら感じる。

人間はみんな「明日死ぬかもしれない」という運命の中で生きている。これは大げさな話じゃなくて、すごく身近な問題だと思う。


自分という人間が訳もなく、突然この世に生まれてきたように、

終わりもまた自分の意志とは無関係に突然訪れる。


僕はこれまで、家族や友達、恋人や、この街、この風景…。僕のそばにいる大切な存在とどう向き合ってきただろう?

そこには一種の緊張感はあっただろうか?

そう心に問いただす。



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