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黎の軌跡をトロコンするまで遊びつくしたので感想文を書いたぞ!!!!

 ベルガルド許せねぇ!!!!

 このゲームは「好感度」みたいな仕組みがあって、特定のキャラにプレゼントをしたりデートしたり(相手が男でもデートをするのだ)すると好感度が上がっていくんだけど、ベルガルドだけはどうやっても1周クリアしただけでは好感度がマックスにならないんだよね。攻略サイトを見るとプレゼントの好感度設定がサイレント修正されてるっぽいけど、すでに贈ってしまったプレゼントの分までは反映されないっぽくて、2周目の最終章で取りこぼしなくすべてのイベントをこなしたにもかかわらずベルガルドだけ好感度が足りないという状態に陥ってしまった。これの所為で3周目をプレイすることになったので本当に腹立たしかった。マジでベルガルド許せねぇ!!!! 絶対に許さんぞ!!!

 ということで今回もテキトーに語っていきます黎の軌跡。軌跡シリーズは空の軌跡からやっているので辛口レビューになるぞ!!!


・システムとグラフィックについて

 システムはここ数ヶ月でやったゲームの中で一番よかったね! マップが切り替わるとロードが入るのはどのゲームもおなじなので敢えて容喙するまい。グラフィックは正直に言うとテイルズとかゼノブレイド2と比べると一歩か二歩くらい劣る印象なんだけど、べつにマップとかそんなに細かく作り込まなくてもいいんだよね。道端に生えてる草とかガン見したりしないからね。このくらいでいいんだよ。

 グラフィック面の進化は閃の軌跡3でストップしてるけど、べつに気にならないんだよね。ゲームはこれで充分だって業界は早く気づいてほしい。そんなにグラフィックを求められてるんだったらプリコネなんて流行るわけないだろ。だからこれ以上グラフィックを突き詰めてロード時間を長くしないでほしい。頼む、すべてのゲーム達!!!

 システム面はとても快適だった。メニューを開くのなんて別に普通だけど、このゲーム通常のメニュー画面以外に全体マップ、各種ノート、スケジューラーみたいなメニューがあるんだけど、どれもすいすい切り替えられて非常に遊びやすかった。セリフのバックログもついているのでテキトーに読み飛ばしていてもあとから読み返せるのもいいねと言いたい。

 あとね、なにが良かったかってマップが見やすいんだよ。どのメーカーも見習ってほしい。ゼノブレイドのマップは縦の構造を織り込んでないので普通に見づらいし、テイルズのマップも立体的な作りじゃないのでやっぱり見づらい。黎の軌跡(というか軌跡シリーズ)のマップは立体的なつくりなのでとても見やすい。強いて挙げるならマップ上で高さを切り替えられる機能がほしかったが贅沢は言うまい。

 細かいところを挙げるといろいろあるけど、例えば2周目をするときにどのパンフレットを持ってないのかわかりづらいとか、周回時の引き継ぎ項目が雑とか、粗を探せば出てくるんだけど、いろいろ親切設計になっていたので文句は言うまい。このゲームシステムで文句を垂れるならどんなゲームやっても満足できまいよ。

 全体的な雰囲気としては閃シリーズではなく零シリーズに寄せてきた感じだったね。本当に素晴らしい!と思ったのが建物の中と外が繋がってるところ。なにを言ってるかわからねーと思うが……要するに、宿屋に入ったり武器屋に入ったりするとマップが切り替わるゲームのほうが多いじゃない? 黎の軌跡はそのマップの切り替わりがない。デパートに入ろうが民家に入ろうが全部繋がってるの。中と外のスケール感が抜群に素晴らしい。外を歩いていて小さな民家に入るといきなり広々とした空間が広がる、みたいな感じじゃなくて、外観から想定される内部の広さがぴったり合ってるのね。このスケール感を実現するのは大変だと思うんだよね。だからこそゼノブレイドは凄いと思ったし、テイルズオブアライズにはがっかりしてしまったんだけど、黎の軌跡はしっかりスケール感を調整した街の作りになっていたので本当にストレスが少なくてよかった。

 このスケール感でいろんな町やダンジョンを作るのは大変だったと思うんだよ。でも見事にやってくれた感がある。縦の構造もふんだんに盛り込まれていたので、探索してて普通に楽しかったね。

 ストーリー上の都合もあるんだろうけど、イベントシーンでマップの切り替えを頻繁に入れるのだけは勘弁してほしかったかなぁ。ほんのワンシーンのために10秒くらい待たされるのはツラいよ。しかもまた元のマップに戻るためにもう1回10秒待たされるのは、ねぇ?って感じだった。前作までよりもそういったシーンは少なくなっていたけれど、ほんのひとことの回想シーンのためにマップを切り替えるんなら、背景とか絵でよくない?って思ったくらい。

 とは言ってもそれ以外の部分でストレスなく遊べたので花丸をあげてもいいくらいだ。きめ細かい配慮の行き届いた良ゲーだったと思う。キャラのモーションが微妙だとか、その辺をツッコむのはやめようと思う。ああいったモーションを作るのって大変だと思うし、アクターさんを雇ったりしなきゃ作れないと思うので、予算の都合もあるだろうからこれ以上の言及はするまい。

 余談だけど、軌跡シリーズって〇〇流みたいな拳法とか剣術が出てくるんだけど、動きが雑なんだよね。出てくるキャラみんな心技体の「体」が崩れてるんだよ。そりゃね、モーションを大振りにしたほうが映えるんだろうけど、剣術とか特に太刀を振るった後の止めの状態が残念すぎる。みんな身体が前に傾いじゃってるの。それじゃ威力は出ねぇだろうって動きなんだけど、漫画アニメゲームに限らずドラマや映画であってもその辺の事情はおなじなのでいつもスルーしてる。映画とかでも殺陣(たて)をやってるひとならわかるだろうけど、剣を振るうときに身体を傾けちゃダメなんだよ。腰から頭までは地面に対して垂直を維持しなければならないのね。こういうのが創作の業界に浸透するには時間がかかるんだろうなぁってずっと思ってる。


・バトルについて

 バトルは普通に楽しかった。軌跡シリーズは普通の装備だけじゃなくてクォーツという、ゼノブレイド1のほうでいうジェムみたいなのを装備して戦うんだけど、これをキャラの特性に合わせていろいろ考えるの、すごい楽しいんだよね。アトリエシリーズでいうならおなじ武器や防具でも"特性"(=追加効果)を変えるだけでキャラの性能がまったく変わってくるみたいなやつ。

 そういうのを考えてキャラを作っていくところは相変わらず楽しかったけど、今作のバトルシステムの醍醐味はフィールドバトルからコマンドバトルへの切り替わりだと思う。普通のゲームみたいなシンボルエンカウントではなく、ゼノブレイドのような道を歩いている敵にいきなり斬りかかるみたいなシステムと、タイミングを計って従来のRPG風のコマンドバトルに移る方法がとっても斬新。しかもシームレスでストレスがない。

 普通のゲームってほら、バトルに入るとバトル専用のマップに切り替わるじゃない? それがまったくないの。移動するフィールドとバトルをするフィールドが完全に一致してる。バトルの始まりと終わりにロード時間が差し込まれる余地のない画期的なシステムだった。やたら狭い路地裏で戦闘を始めると、そのやたら狭い路地裏がそのままバトルフィールドになっているので、コマンドバトルを始める位置取りなんかも突き詰めていけば必要になってくるかと思いきや、狭いなら狭いなりに戦えみたいな感じになってたね。サルバッドのホテルの内部とかキャラと敵が普通に壁に挟まれててどこにも移動できないしだれも攻撃できないみたいな感じになるところなんか笑っちゃったよ。移動しようと思っても壁しかなくて一歩も動けないの。逃げるしか選択肢がなくてげらげら笑っちゃった。

 フィールドバトルだけで戦闘を終えることもできて、でもよほどの雑魚じゃない限りコマンドバトルに移行したほうが早かったりと、戦闘バランスもしっかり考えられてたね。

 今作は特殊な横文字クォーツを一部を除いてどんなに周回してもひとつしか入手できない仕様になっているので、クォーツの取り回しがとてもシビアだった。強力なクォーツをひとりにしかつけられなかったりするので、どうしても使いやすいキャラにクォーツを偏重させるしかないところだけは残念だった。周回プレイでふたつみっつと入手できればまた違った評価になったかもしれない。

 というところで各キャラクターの使用感を紹介していこう! 無駄にな!!!


・ヴァン

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 本作の主人公であり、パーティーの中核をなすキャラクター。オーブメントは防御寄りの構成だが攻撃力も高い。なにも考えずにプレイしているとアタッカーになってしまいそうだが、ヴァンの本懐はタンクである。防御力とHPが全キャラ中トップで、ヘイトアップ効果を持つクラフト"コインバレット"が非常に優秀。

 クォーツの構成を見ればわかると思うが、ウェポンラインでシャードスキル"バーストゲイン"を発動させることで、"コインバレット"→"Sクラフト"→"Sクラフト"とバトル初手でヘイトを引き受けつつ大ダメージを与えられる。以降ずっとおなじムーブを繰り返すだけでCP回収、HP自己回復、ヘイト管理をひとりでこなせる強キャラ。Sクラフト使用時は絶対にフルブースト状態なので"バーストゲイン"がほぼ確実に発動する。実はこのムーブにさらにもう一発Sクラフトを追加できるんだけど、それをすると"コインバレット"の効果が切れてしまうのでやってはいけない。

 ホロウはなんでもいいけど、ヴァンのタンクという特性に合わせた"メア(ロウ)"がおすすめ。回避寄りにしてもいいけど、敢えてダメージを受けることで次の手番までにCPを回収しきりたいので回避は控えめ。セキトバを手に入れてからは無双状態になるので、パーティーから欠かすことのできないキャラクターといえる。


・アニエス

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 可愛い。本作の最強キャラ。クラフトの構成や初期クォーツの性能を見るとヒーラーに思えるがゴリゴリのアタッカーである。精神系、駆動系、省EP系をそろえて、アーツの硬直時間を短縮するクォーツでスロットを埋めると鬼のような強さを発揮する。「エトワールレイ!!!」ってやるだけで他キャラのSクラフト並みの威力が出るので、8人いる仲間キャラやスポット参戦のプレイアブルキャラがすべて霞んでしまう。フィールドアタックも遠距離攻撃なので非常に使いやすく、序盤から終盤までずっとトップを走り続けた女である。

 "エトワールレイ"だけでも充分に戦えるクラフトアタッカーではあるが、アニエスの本懐はアーツアタッカーである。序盤から終盤まで火力はアニエスに担当してもらうことで極めて安定して戦い続けることができる。火力重視ならドライブラインで幻属性12と風属性6(8と4でもいい)そろえてシャードスキル"アークフェザー"を実現すると強いけど、終盤になると各属性最強アーツを連発したほうが強く、最強アーツを使い続けるにはEPが足りないので、水6地12で"カタラクトゲイン"を実現したほうがトータルでは強い。何周してもひとつしか手に入らない"ヘイズルーン"を装備させれば"アークフェザー"と"カタラクトゲイン"を両立させられるが、物理アタッカーを絶対に使わないと割り切らなければならなくなるので苦しい(中核のヴァンとアニエスはちょいちょいパーティーから外れるので難しい)。

 アニエスの火力を活かすためにホロウは"ロレイ"を選択。"ロレイ"でSブーストすると省EPを着けていてもガンガンEPが削られていくので、与ダメージでEPを回復できる"カタラクトゲイン"は極めて優秀。EP回復アイテムを使って手数を減らすより継戦能力と総合火力が高い(与ダメージ2万で400くらいEPが回復するので永久機関の完成である)(運が悪いと発動しないのが難点)。"アークフェザー"をつけたほうが瞬間火力は高いのだけど、一瞬でEPが枯渇してしまうので、この場合は時属性アーツ"オプシディアレイ"を連発する展開が多くなる。終盤になるほど遅延効果は入らなくなるので(雑魚戦で遅延を発生させる意味はない)"オプシディアレイ"+"アークフェザー"で遅延を狙うよりも火力の高い"ブルートゥスノヴァ"や他属性の最強アーツで攻めていくほうが安定して戦える。

 軌跡シリーズをやり慣れてないと駆動時間のあるアーツをあまり使おうと思わないだろうが、軌跡シリーズは基本的にクラフトよりもアーツのほうが強い。クラフトの場合、溜め時間なく技を発動できるので使いやすそうではあるが、技後の硬直時間が長いので敵に手番を回してしまう。アーツは駆動時間+硬直時間を合わせてもクラフトよりも短いうえに、クォーツで駆動時間と硬直時間を短縮させられる。アーロンやベルガルドのようなクラフトアタッカーが1回行動してダメージを与えるのとおなじ時間で2回ダメージを与えられる。おまけにクラフトより威力が高い。ATS(魔法攻撃力)の高いキャラはアーツを連発するのが軌跡シリーズの基本となる。また、アニエスは後述するフェリに比肩するほどSPD値が高いので、高回転型アーツアタッカーとなれる点も強い。

 弱点を突いてさらにクリティカルすると3万~4万くらいのダメージをコンスタントに叩き出せるうえにクラフトアタッカーの2倍攻撃できるので、全キャラ中屈指の強キャラといえる。さらに、本作ではS.C.L.M(スクラム)という仲間に追撃させる仕組みを活かして攻撃することが多いのだけど、アニエスの通常攻撃(と追撃)だけはATSが反映されるので(通常攻撃が魔法攻撃なのはアニエスだけ)、普通に殴るだけで物理攻撃力の最も高いベルガルドの通常攻撃の2倍以上のダメージを出すことができる。S.C.L.M追撃も同様に極めて高火力なので、物理キャラもアニエスを中心にダメージを稼ぐことになる。必殺率100%+"ヘイズルーン"で強化したアーロンの通常攻撃が難易度ナイトメアで4000程度だとすると、アニエスの通常攻撃は8000(クリティカルすれば12000)なので、圧倒的に強い。物理キャラよりも高火力のでアニエスを使わないという選択肢がなくなる。

 終盤のボス戦だと敵のSクラフトで壊滅状態に陥ることもままあるが、アニエスは回復キャラなのでヤバくなったらSクラフトで全員を回復蘇生するだけで生き存えられる。ただしアニエスにSクラフトを使わせる展開はなるべく避けたい。強制割り込みで全体蘇生できる点は強いが如何せん硬直時間が長いので、アニエスのSクラフトは本当にピンチのときしか使わないほうがいい。スピード特化型フェリかリゼットに"セレスティアル"を使わせれば回復は事足りるので、アニエスのSクラフトはフェリとリゼットの両名が死んでしまった場合に限る(緊急時でも生存できるようシールドラインで"セラフィムフォース"を発動させている)。ヴァンのヘイト管理さえ失敗しなければ回復はサポーターの"セレスティアル"と"ティアラル"をヴァンに使うだけで事足りるので、このゲームにはヒーラーと呼ぶべき役割は不要である(というかクラフトもアーツも範囲回復技がショボすぎる)。要するにアニエスが最強だということが伝われば満足である。


・フェリ

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 全キャラ中もっともSPD値の高いスピード特化型のキャラ。火力はまったく出ないうえに頼みの綱の直線クラフトも移動型なので、フェリにダメージは期待してはならない。むしろフェリが攻撃行動をとることのほうが珍しい(フェリに通常攻撃をさせるくらいならなにがしかのアーツを使わせたほうがいい)。

 持ち前のスピードを活かした高速サポーターを担わせると十全の役割を果たすことができる。したがって雑魚戦での出番はない。他のキャラよりも圧倒的にスピードが速いので、もともとない火力を無理に出すよりも"イデアルフォース"でアニエスの火力補助をしたり"アイギスシールド"で味方を守ったりすることで真価を発揮する。終盤は"ラ・クレスト"も頼りになる。

 SPD系の装備に行動力系と駆動系のクォーツをそろえてやれば、とにかく手番が回ってくるのが早くなるので、敵の攻撃を"アイギスシールド"で受けきってかけ直したり、細かな回復を行ったりサポートアーツを連発したりと非常に小回りが利くようになる。序盤はサポート系のアーツも心許なくて本当に役に立たなかった(クラフトは硬直時間が長いので使い勝手が悪い)。


・アーロン

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 雑魚。物理アタッカーなのに火力も低くなんの役にも立たない。終盤で装備とクォーツがそろって、かつサブイベントで必殺率40%アップのアクセサリー"ヴィクトリーダイス"をゲットしたところでようやく出番がやってくる。

 風属性専用スロットを持ち、必殺率の高いアーロンのために作られたようなクォーツ"ヘイズルーン"を装備させることでヴァンやベルガルド以上の火力を実現することができる。必殺構成はジュディスとベルガルドでも実現できるが、広範囲遅延クラフトを持つアーロンが使ったほうが強い。単体技も背面をとれば十分すぎるほどの火力を発揮できるので他の物理キャラを使う意味がなくなる。

 ATボーナスでクリティカルをもらった状態でSクラフトを打つと超火力を発揮する。どうやら普通のクリティカルとATボーナスのクリティカルは別枠計算らしく、Sクラフト一発で4万くらいの火力を出せるのでかなり強い。しかしSクラフトはアーツの5倍くらい硬直時間があるので継戦能力に乏しい。"ルサルカ"orホロウ"ガープ"を駆使してようやく実用レベルになる(それでもアニエスが2~3回くらい攻撃してようやく手番が回ってくるくらいの遅さ)。クラフトアタッカーは雑魚戦で使うくらいである。

 シールドラインのシャードスキル"リベンジアロー"がけっこう強くて、意図せず時属性と風属性の条件を満たせたアーロンは終盤ではそこそこの火力源になる(他のキャラでもできるけど余裕がない)。"リベンジアロー"はなぜか物理扱いなのが謎である。


・リゼット

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 エロい。リゼットがパーティーにいると町を歩いているだけなのになぜか2時間くらい経過していることが多々ある。致し方ないことである。

 キャラの性格同様サポート特化型キャラ。フェリとおなじような運用法になる。スピードはフェリほどではないがしっかり整えてあげればフェリに比肩するくらい速くなるので、フェリとおなじようにスピードサポーターとして運用するのが好ましい。

 クラフト"コバルトカーテン"が非常に優秀で、序盤はなんの役にも立たないフェリとアーロンに代わって敵の攻撃を凌ぐ役割を果たしてくれるとても優秀なキャラクター。魔法攻撃扱いの直線クラフトも持っているので、物理耐性の高い敵でもある程度は戦えるが、基本的に火力は出ない。終盤でスピードをガン上げできるようになると"コバルトカーテン"よりも"アイギスシールド"のほうが強くなるので、アーツ主体でサポートを行うことになる。

 終盤のボスはフェリ1枚ではとてもサポートアーツを回せないので重宝する。逆に雑魚戦での出番はほぼない。5章と終章のジェラールと戦うときはフェリと併せて"イデアルフォース"と"ラ・クレスト"を絶え間なくかけ続けることで敵のSクラフトや全体魔法攻撃を難なく凌ぐことができ、すぐさま"セレスティアル"→"アイギスシールド"で戦線を立て直すことができる(このふたり以外のキャラでは間に合わない)。

 使用キャラの中で唯一オーブメントのスロット数が16個あるので、痒い所に手が届くキャラでもある。


・カトル

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 ステータスはアニエスによく似ているが、あらゆる性能がアニエスに劣る残念なキャラクター。雑魚戦でアニエスと並べてアーツアタッカー2枚構成で戦うと敵をゴリゴリ削れるので頼りになるが、ボス戦だとHPが低すぎて全体攻撃一発でノックダウンしてしまうので使えない。

 通常攻撃もクソ弱い。魔法攻撃っぽい見た目なのに物理扱いなので、全キャラ中最弱と言っても過言ではない。これのおかげでアニエスに席を奪われて出番がなくなる。雑魚戦で敵を一掃するのには向いているので、編成に入れてもいいレベル。


・ジュディス

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 雑魚。なんの役にも立たない。敵の強化無効化クラフトを持っているが、加入直後にベルガルドが仲間になるのでディスペルも無意味。火力も出ない、スピードも然して高くない、別段タフというわけでもない。なんの強みもないキャラ。グリムキャッツも前作のリィンのような鬼性能ではないので使う意味がない。

 全キャラ中唯一「特殊クォーツを入れなくても"アークフェザー"と"カタラクトゲイン"を両立できる」キャラ。これのおかげでアーツアタッカーとして採用できるレベルになる。が、物魔ともに特化型のステータスではないのでアニエスどころかカトルにすら負けてしまう。SPDも高くないので回転率では完全にアニエスに後れを取る。アーツアタッカーとしてクォーツと装備を整えておいて、強制的に使用しなければならないときだけ使うキャラ。


・ベルガルド

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 ヴァンの先生だけあってそこそこ強い。クラフトも遅延クラフトに自己強化+強化消去、駆動解除と隙のない構成だが、直線攻撃がないので敵の近くに行かないと戦えない。というか全体的にクラフトが使いづらい。ヴァンとおなじくらいの耐久性能なのでヴァンと並べて使ってもいいが、この戦い方では回復の手間が2倍になるので一気に苦しくなる。クラフトの性能が悪いので物理キャラはアーロン一択となってしまう悲しいお爺ちゃん。

 全体的に高火力、高耐久で雑魚戦では非常に使いやすいキャラクターだが、ボス戦ではヴァンとアニエス+サポーター2名という構成からは漏れてしまう。雑魚戦で通常攻撃のみを使うのであれば火力も高く使い勝手はいい。

 必殺構成にして"ヘイズルーン"をつけてやればアーロンとおなじくらい活躍できるかもしれないが、背面特化のアーロンのほうが強いのでやはり出番はない。


・ヴァン/グレンデル

 雑魚。ヴァンが敵のヘイトを一手に担うことでダメージをコントロールできたのに対してコイツはそれができない。正直「悪夢をまとう」以外の選択肢があれば迷わず選んでいるレベルで使えない。ステータスは非常に高いが、火力はアニエスに出してもらうので必要ない。強制的に使わなければならないボス戦が本当にしんどかった。中盤以降ヴァンのクラフトにグレンデル化が追加されるんだけど、本当に一切まったく使わなかったからね。

 ステータスが高いといってもATK、ATS、HPが2倍になるくらいでその他のステータスはヴァンに準拠すると思われる挙動なので、一発の火力は高いけど総合火力はそこまで高くはない(アニエスが3回行動してようやく手番が回ってくるくらい)。おまけにSクラフトを使ってもブーストゲージが増えないので使う意味がない(Sクラフトは火力が高い代わりに硬直時間が長い)。総合火力は正確に測定したわけではないけどアニエスに劣るんじゃないかと思われる。

 ていうかね、頑張ってそろえたクォーツとシャードスキルがグレンデル化すると発動しなくなるんだよね。追撃系のシャードスキルは発動するんだけど、頼みの綱の"バーストゲイン"も発動しないし、ヘイトアップクォーツの"美臭"も効果を発揮しない。マジで要らないコンテンツだったので、次回作ではせめてヘイトアップクラフトくらいは用意しておいてほしい。


 その他のスポット参戦キャラは装備もクォーツも弄れないので語るまでもない。シズナだけはちょっと別格で強かった(Sクラフトに遅延効果がついているのでとても強い)。とは言ってもATSをガン盛りしたアニエスの前では霞んでしまうので使うことはなかったけどね。あとリーシャはスゴかったね! デカぁぁぁぁい!!!って画面の前で叫んでましたからね。

 次回作ではなんとかしてほしいなと思ったところは、Sクラフトや上位アーツの演出が長すぎるところだね。前作まではコントローラーの真ん中にあるデカいボタンを押せば演出をスキップできたのに今作はそれができなくなってるのね。あれだけはいただけないので、演出スキップ機能は是非とも搭載してほしい。

 あと、このバトルシステムだと難しいだろうけど、バトル後の掛け合いがなくなってるのは悲しいね。システム上ゼノブレイドとか黎の軌跡はどうしようもない部分があるけど、会話だけでいいからもうちょっとバリエーションがほしいかなぁ。テイルズオブアライズの掛け合いがなくなったのはマジで意味不明。あのバトルシステムなら普通に組み込めただろうに、そこを削る意味がわからない。とにかくキャラ同士の掛け合いにもうちょっと力を入れてほしいと思う所存である。


・シナリオについて

 システムの部分でも触れたけど、今作は閃シリーズよりも零シリーズに寄せてきてるのがシナリオからも読み取れた。ていうかね、閃の軌跡がキャラもシナリオもゴミ過ぎたんだよね。流行に乗っかって学園ものなんかやっちゃったもんだからカスみたいなキャラとシナリオにしかなりませんでした、みたいな感じだったけど、今作は軌跡シリーズのいい味をしっかり出してくれててとてもよかった。

 まず街の雰囲気とかね、クロスベルを思わせる雑多な感じがとてもいい。カルバードって他民族共生国家だから雰囲気的にはどうしてもクロスベルに似通うのは当然だと思うし、おそらく閃シリーズの舞台であるエレボニアとの線引きをしたかったというのも大きかったと思う。空シリーズのリベールのような牧歌的な風景は少なくて、それはそれで国土と風土の違いを感じさせてよかったと思う。

 ただね、わりと生活臭のあふれる旧市街に事務所を構える主人公なのだから、それに付随する住宅街とか、クロスベルでいうなら歓楽街みたいなところも見たかったかなという印象はある。この辺は次回作以降でおそらく登場してくるだろうけどね。

 とにかく街のひとびとの息遣いを感じられる意欲作ではあったなぁと思う。閃シリーズは街のひとびとの息遣いがあんまり感じられなかったんだよね。どちらかというと学園というものに焦点を当てていた嫌いはあるし、それはそれで仕方ないのかなぁとは思うんだけど、やっぱひとびとの営みを感じられるゲーム設計が軌跡シリーズの醍醐味だと思うんですよ。

 往来のNPCひとりひとりにドラマがあって、しかも面白いことに物語の進行にしたがってNPCの人間模様も少しずつ変化していくんだよね。で、そういうひとびとからの相談しにくい依頼を受けるのが主人公で、プレイしてて「こいつら大丈夫かよ」みたいなNPCが中盤から終盤になって主人公に依頼をしてくるのとかすごく面白かった。あーそういう布石だったのかーみたいな。物語に直接絡んでくるわけじゃないけど、物語を形作るアークライド解決事務所の色というか性質を描く一助になってるのね。なんていうか、原点回帰みたいなものを感じたわけです。

 これまでの軌跡シリーズって、いわゆる「正義」の側からしか物語が描かれてなかったじゃないですか。空の遊撃士、零と碧の警察(支援課)、閃はなんだろうね? 学園の教師? というかお国の英雄だね。とにかくみんなが憧れる立派な職業のひとが巨悪を打ち倒す物語だったわけです。黎はそこから一歩距離を置いたところから物語が描かれているので、なんていうか普通に好き。ヤクザとかマフィアみたいなアウトロー的な立ち位置でもないし、かといって正義の味方みたいなお堅いお仕事でもなくて、人間って感じがしてとっても好感を持てたね。劇中でベルガルドも言ってたけど、ひととひとの間にあって人間になるっていうセリフ、私はとっても好きですね。

 なんていうか、世のなか全体が「後ろ暗いことを許さない」みたいなキャンセルカルチャーに染まりつつあるこの時代に、敢えて酸いも甘いも清きも濁りも描いてくれる物語って貴重だと思うんですよ。閃シリーズのリィンなんてただのポリコレクソ野郎でしょ? いけ好かねぇんですよ、ああいうキャラは。今作の主人公であるヴァンもリィン的な自己犠牲心はあるんだけど、筋を通そうとする姿勢は良かったなと。筋が通ってるわけではなく、筋を通そうとする姿勢だね。

 黎の軌跡で一番好きなキャラはアニエスなんだよね。リゼットも好きだけどやっぱアニエスだなぁって思う。逆に嫌いなキャラはエレイン。こいつは本当に嫌い。アニエスはね、キャラの称号にもあるんだけど「清濁併せ呑む娘」なんですよ。潔癖すぎることもなく、おかしなほうに偏ることもなく、善いも悪いも呑みこんで一生懸命もがく、とても好感の持てるキャラだった。対してエレインはというと、私の嫌いな女性性が前面に押し出てくる感じの悪いキャラなわけです。テイルズオブアライズの感想文でも書いたんですけど、いわゆる「女の好きな強い女」なわけですよ。平生はA級遊撃士としての「強いわたし」を演じながら、都合の悪いときだけ「可哀想なわたし」を押し付けてくる胸糞悪いキャラなんですよね。コイツがヒロインじゃなくて本当によかったなぁって思う。エレインがヒロインだったら黎の軌跡は一気にクソゲーになってたと思う。

 でもたぶん、黎の軌跡はエレインをヒロインにすることはないと思うんだよね。物語の方向性とエレインの性格や立場が致命的に噛み合わないので、今後もスポット参戦枠くらいで収まると思う。ていうかそうあってほしい。

 私の嫌いなキャラって閃シリーズのアリサとかユウナなんですよ。でもこのふたりって物語の中軸ですよね。切っても切れないキャラクターが嫌いなキャラだったので閃シリーズはどうしても好きになれなかったというのはある。両名に通ずるのは「強気な女」や「勝ち気な女」ではないんですよ。「キツい女」なんですよね。都合の悪いときだけかわい子振るのが私は嫌いなんです。エレインにも似たような雰囲気を感じたので嫌い。欺瞞的と言えばいいのかな? 自分が弱っているときこそ気丈に振舞える女が好きなんですよ、私は。

 シナリオについて語るつもりがキャラについて語ってしまっていた。黎の軌跡はまだシリーズ一作目なのでなんとも言えないところだけど、少なくとも閃の軌跡みたいな「戦争反対! ポリコレ万歳!」みたいな話にはしてほしくない。物語の中盤で登場する核兵器(反応兵器と呼ばれている)が「悪魔の兵器」みたいに呼ばれているのはちょっとポリコレくさかったけどね。技術者は悪魔の兵器に手を出すことを戒めなければならないみたいなことをカトルが語ってたけど、そこだけは「はァ?」って感じだった。なんというか、存在自体が疑う余地のない悪みたいなことを言うの、普通に胡散臭いんだよね。そういう青臭いところがカトルというキャラなんだろうけど、好きになれんかったわ、コイツ。

 シリーズ一作目としてはすごく上手にまとめられていて、物語の〆もブツ切りみたいな消化不良感もなくて読後感もよかった。まだまだ話は続いていくよみたいな謎はいっぱい残されてるけど、とてもいい終わり方だったね。今後もヴァンとアニエスのコンビは崩さないでほしい。


・最後に

 なんかなんも考えずにダラダラ書いてたら1万字を軽々超えちゃったな。自重しなければならない。総評としてはとても面白かった。アニエスとリゼットのせいで街を歩くだけで鬼のように時間が吸われてしまったけど、それもまたいい。おきれいなゲームは味気ないしつまらんのだよ。

 次はなにを買おうかなぁ。やりたいと思っていたゲームはひと通り遊んでしまったんだよね。せっかくSwitchも買ったことだしなにか探してみようかな。


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