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【知られざるアパレルの裏側】生地の染色編

こんにちは!24hブラのプロデューサーをしているこじみくです。
私は元々システムエンジニアをしていて、アパレル未経験ながらランジェリーブランドを立ち上げたので、ものづくりやアパレルの現場のことはほとんど分からない状態からこの事業をはじめました。
熟練の経験を持つランジェリーデザイナーと二人三脚で商品開発をしてきたので、製品はもちろん完成度の高いものが出来上がりましたが、この仕事を通して、初めて知ったことや驚いたことが色々あるので、今日はそのあたりのお話をしていきます!

生地を染めるまで

24hブラは全色特注のオリジナルカラーで生産しています。そのため、自分たちで色を決め、その色を毎回生産ごとに再現できるようにコントロールをしながら生産しています。

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(24hブラの人気4カラー)

具体的な流れとしては
スワッチづくり → ビーカーサンプル → 本染め
という形です。

1、スワッチづくり

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スワッチはよくアパレルの現場で使われる色見本のことですが、24hブラはこの中から色を決めることができなかったため、作りたい色味を自分で染めてスワッチを作ることから始めました。
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(市販の染料を少しずつ混ぜて色を作るin自宅)

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(24hブラの初期サンプル。全てはここから始まりました。)

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(自宅のキッチンでグツグツ生地を煮ていたのもいい思い出です)

2、ビーカーサンプル
次にビーカーサンプルといって、少しの量の生地を取り、染色工場でテスト的に色を染めます。この際に染料や染め時間・温度が決まってくるのです。
大変なのが、ビーカーサンプルでも中々イメージ通りの色にならないことがよくあり、何度も工場の現場とやり取りをしながら色を調整していきます。
染め工場さん曰く、私はアパレルブランドの中でも特に色チェックが厳しいらしく、毎度申し訳ない気持ちになりながらも色のコントロールを徹底しています。

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(実際のビーカーサンプル大公開!)

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(微妙な色の違いでイメージがずれるだけでなく、ブルベさん・イエベさんのパーソナルカラーごとの似合い方も変わってくるので、ランジェリーの色味はすっごく大事です)

3、本染め
最後に本染めとなるのですが、これは毎回祈るような気持ちで完成を待っています。実際に商品で使用する生地を染める本番の工程なのですが、100%イメージ通りになるとは限らないので、全ては出来上がり次第というところなんです…

生地ってどう染めるの?

よく藍染めや手染めの工場の風景をテレビ等で見たことがあるかと思いますが、あのイメージの通り、基本的には染料や水を使って生地を染め上げていきます。
ただランジェリーのレース染めとなると、工程はより複雑で、使用する機械も大型になってきます。

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(※染色工場のイメージ画像です。かなり大型の機械で染めていきます。)

【工程】
1、精錬加工
まず生地の不純物を取り除き、より綺麗に色が染まりやすいように加工を行います。24hブラのレースは国内で糸から編み上げられているのですが、編んでる途中に付着する油剤や微細なゴミをこの工程できれいにしていきます。

2、染め工程
生地がきれいになったら、いよいよ染めていきます。24hブラはストレッチレースが特徴のため、ポリウレタンとナイロンが含まれている素材なのですが、この2つの素材をきれいに染め上げるために染料・温度・染め時間などを調整しながら染めていきます。
特にカシスは複雑な色味で、色を再現するのが難しい…

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(色の深みがでないと、右のようにただ鮮やかなピンクになってしまいます。絶妙なくすみと高級感のある色味は本当に難しい)

3、後処理
最後に不純物が全て取り除けるように、後処理の加工を行います。生地を染める上で何より大切なのは「色が抜けないこと」です。洗濯や汗をかいた際に色移りしないよう、ここの工程でしっかり「色止め」の処理を行います。
(肌に直接着けるランジェリーなので、特にこだわっているところです)

ちなみに24hブラはストレッチレースを使用した設計が特徴のため、「ポリウレタン」という化学繊維を使用しています。このため、草木染め等の自然の染め方はできませんが、国内の安全な方法で薬品で丁寧に染め上げています。

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(栃木県の染色工場。きれいな空気ときれいな水のある場所で染められています。)

知られざる裏側3選

1、電球の色でまったく違う色に!
電球の色には大きく分けて2種類あり、青みと白が強い「昼光色(ちゅうこうしょく)」と太陽の光に近い「昼白色(ちゅうはくしょく)」があります。光によって色の見え方が変わるのですが、ブラジャーの色によっては「別製品?」と思うぐらい印象が変わります。
24hブラの場合、カシスとネイビーが「演色反応」といって光による色味の違いが出やすく、生産のたびに色の調整に苦戦しているカラーです。
目指すのは「どの光でも製品として美しいカラー」なので、家庭ごとに異なる電球の違いにも対応できるよう、様々な光で色のチェックをしています。

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(昼光色の下で確認したネイビーサンプル。青みが強すぎで修正)

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(昼白色の下で撮影したネイビーサンプル。
黄色が強いのと柄の雰囲気に納得できず修正になりました。)

ここまで色に徹底しているブランドは他にあるんだろうか…と我ながら思ってしまうレベルです。

2、世界に一つだけの色
先ほども少し触れたのですが、本染めで仕上がる色は毎回異なります。
どんなに同じ染料・温度・時間で染めても、ロットによって異なるというのが染色業界の常識。つまり厳密には染めるごとに世界に一つだけのカラーということです。ロットごとに色が変わることを「色ブレ」というのですが、これができる限り起きないように染め工場さんとブランドは厳しい目で色のコントロールをしています。(それでも若干どうしても変わってしまうことがあるのですが😭)

3、色ごとに値段が変わる!?
黒やネイビーは「濃色」といって染めの世界では、濃い濃度の染料を使う色となります。つまり、使用する染料も多くなるので、染色代が少し高くなるわけです。一番高いのはやはり黒で、特に濃く色を出したいと思うと単価は上がっていきます。

24hブラはこの単価よりもブラック特有の「深み」と「高級感」を大事にしているため、惜しまず濃い色味で染め上げています。

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以上、アパレル業界の生地染めの知識でした!
工程一つとってもこだわりや技術が詰まっているので、お手持ちのブラや洋服のカラーを見ながら、この文章を思い出して頂けるとおもしろいかと思います。

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感動してもらえる商品を作るには、とにかく「細部までこだわる」が一番大事だと思っています!
一つ一つカラーのこだわりに溢れた24hブラの商品はこちらからご購入頂けます!ぜひチェック頂けると嬉しいです💓



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