なんにも出来ないけど何かになりたい

あなたの特技は、あるいは長所はなんですか?

面接やらなんやらで訊かれがちなこの台詞。皆さんどう答えてますか?

そもそもすぐに思い当たって答えられる人ですか?

それとも悩みに悩んだ末無理やり言葉を捻り出したり、あるいはどう頑張っても言葉がでない内に微妙な空気になってしまう人ですか?

私は基本的に一つも答えが出ないので、どうしても答えなきゃ行けない場面で答える用の嘘を用意している人です。嘘は良くないが背に腹は代えられぬのです。

勉強はさほど出来ず、運動はからっきし。習い事なんかは出来ないおうちだったので特殊技能もなく、趣味の読書も特技になるには程遠く。家事の類いは実家住みなうえに母に任せきりの怠惰仕様なのでやれば出来るかもだけど可能性にとどまり。地頭の良さもなければ、外見は並み以下の肥満気味。

悲しくなってくるまでのマイナス仕様。

ここに乗っかるは根本的な問題としての努力からは対極にある怠惰な性格。

祖父母の代から含めて財産もないので本当に何もない。し、何も出来ない。

少なくとも私は自分の事をそう思って子供の頃から生きている。

そのくせ何かになりたい願望は持ち合わせているのだから強欲だなぁ、と思うのだ。

例えば、ある日突然現れる、このままの私で良いと言ってくれる誰かのパートナーになりたい、だとか。

実は埋もれていた私の才能が突然覚醒してそれが仕事にならないか、だとか。

どっかからみんな忘れていた隠し財産とかが見つかって働かなくてよくなるんじゃないかとか。

主人公願望に類するようなそんな夢想ばかりが脳内のどこかに必ず居続けて離れてくれない。

日々コツコツと真面目に誠実に生活をして、いわゆる一発逆転にかけるような生き方とは正反対な在り方であるべきだとは常に考えてはいるものの、これを書いている最中でさえも宝くじ当たらないかなぁ、なんてゆるふわ思考が駆け抜けていったりしている。

今すぐにでも、(私ではない)何かになりたい。

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