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せぼねのひびき

人体の骨のなかでも「背骨」は独特な存在だ。頭蓋骨、肋骨、大腿骨、腓骨など、たいがいの骨が「〇〇コツ」として呼ばれるが、なぜか背骨は「せぼね」という名で一本通っている。そもそも「ボネ」ってローマ字表記すると「BONE(骨)」じゃないか。これは愉快、と不意に笑いがこみ上げるときにチクリと背中が響いた。じつは、一か月ほど前にトランポリンを跳んでいたときに背骨を痛めたのだ。

激痛というほどでもないし、ずっと痛いわけでもない。ただ、歩いてるときも、寝ているときも、ご飯を噛んでいるときも、背中の真ん中あたりにこびり付いたような違和感がある。くしゃみなんかすると痛いでしょう、と心配されたけどそれはさほど痛くない。なぜだかわからない。

ところが、悪いことばかりでもなく、いいこともある。背中を丸めた状態だと少し痛むので、かばった姿勢をとっていたら、いつの間にか猫背が直ったのだ。身長もすこし伸びたようだ。

あと、少しでも骨を強くしようと小魚のお菓子をよく食べた。ほんとうは肉のほうが好きだけど食べた。カルシウムが豊富と聞いてボリボリ食べた。ボリボリ、ボリボリ、ガリッ。聞きなじみのない音。歯が欠けた。

骨が強くなった実感はまだない。

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