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HDDが壊れるまで(HDDの基礎)

HDDが壊れるまで(1)
システムの故障に関する基本知識

ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)は、パソコン(PC)の周辺機器のなかでも壊れやすいというイメージがあります。

少し古い統計ですが、2010年に発表された調査結果(http://chosa.itmedia.co.jp/categories/digital/2405)によると、国内のパソコン(HDD内蔵機)ユーザーの約4割がHDDの故障を経験しています。
またHDD産業の業界団体である日本HDD協会(http://www.idema.gr.jp/)によると、HDDのデータが失われる原因の40%がハードウェアの故障によるものとなっています。次いで多いのが、人為的なミス(運搬や取り扱いなどによるもの)で、29%となっています。このことは、ユーザーがきちんと注意を払っていても、HDDが壊れることがあるという事実を示しています。

それでは、HDDはどのくらいの確率で故障するのでしょうか。このことを理解するためには、システム(数多くの部品で構成されるユニット)の信頼性に関する基本的な知識をおさらいしておく必要があります。

最初に重要な事実として、システムが故障する確率(故障率:単位時間内に故障が発生する確率)は、システムが製造されてからの年月に対して、一定ではない、ということを知っておく必要があります。HDDが製造され、販売店に出荷され、ユーザーがPC(HDD内蔵タイプ)あるいはHDDを購入し、HDDを使い始めるとしましょう。そしてHDDにデータを書き込んだり、HDDからデータを読み出したりする。このような時間経過の中で、故障率は一定ではないのです。

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