イラスト未経験から、1年足らずでLINEマンガ連載を得た軌跡

この度、小学館、BANDAI主催の
縦スクマンガ制作リアリティショー TOONGATEで、500作品以上の中から、グランプリをいただき、
2023年1月~LINEマンガにて連載権を得ました!

(うれしそう笑)

ボルボズというコンビで、相方の和田亮一という天才ストーリーテラーにおんぶにだっこさせていただき、初代グランプリという最高の栄誉をいただきました。

コンテストの模様はコチラで見れます



作品は、妖怪退治×ストリートカルチャーをMIXした『時時雨GRAFFITI』という作品です。
1~3話まではこちらから読めます。ぜひ読んでない方は読んでいただければと思います。


美術の成績が1と2を彷徨っていた、絵弱の私が、
1年足らずで、イラスト未経験から、LINEマンガ連載を得るまでの考えやコンテストで得たものをここに書いておきます。


まず、会社経営をしている私がなぜ漫画を描こうと思ったか

今回のコンテストの相方である和田と食事をしている時に、
「アジアの縦読みマンガが熱い」
ということを教えてもらい、縦読みマンガの市場の拡大について、ヒット作品についてを教えてもらいました。

その時は自身(自社)で新しくなにかやりたい、チャレンジをしたいと思っていたところで、当時はe-sportsへの参入または出資を考えていました。

縦読みマンガが面白い、市場の拡大傾向、日本でのシェアがまだ取れること、作画が日本の横読みマンガに比べて楽であること

上記理由から面白そうと思い、ipad proをその日に買って帰りクリップスタジオを使い始めました。

一つの事業として、一つのビジネスとしてスタートしたのがきっかけです。

また縦読みマンガを描くこと自体が、さほど難易度が高くないということも自身を後押しをしました。

後にこの考えがとても甘く浅はかであることがわかるのはもう少し先のことです。

本気になったきっかけ

イラスト練習を始めてから、作品を作ることがとても楽しく、また思うようにいかないもどかしさもたくさんありました。

それでもイラストを練習していましたが、どこか真剣に取り組むという感じではありませんでした。

その理由は、明確な目標を決められておらず、
未来をちゃんとイメージ出来ていなかったからです。

歳を重ねいろいろなことに挑戦する機会がなくなり、
ここ数年は、自身ができる価値での勝負をすることがほとんどになっていてなにか物足りなさを感じてはいました。

もちろん、仕事は全力で自身や自社の価値を提供することには務めていました。

明確な0→1のチャレンジがなかったのが、物足りなさの原因だったのと、若い子がYouTubeを寝ないで頑張るや、後輩が脱サラしてキャンプ場経営を成功させたりと、若人達に刺激を受けていたというのもあります。

そんな中、2021年の12月M-1グランプリで錦鯉さんが、最年長で優勝をし、その姿に感涙し、体中に電撃が走りました。


審査員の松本人志さんが、

「青春してた」

と言っていて、そこで改めて自分のもやもやが言語化できました。


あ、自分がやりたいのは「青春」なんだって。


そこから、目標設定をし練習を逆算するということを考え実行していきました。

まずはマインドマップ作りをしました。
すべての技術を得ることは遠回りと感じていたので、必要な技術や得なければならない知識の取捨選択から考えました。

図:Webtoon作家になるために


和田と一緒に考えた最大の目標として、
自分たちの作品を
ネットフリックスで配信をする
という目標を設定しました。


そのために、
縦読みマンガで原作を作り→アニメまたは実写化

実写化のしやすさ、ネットフリックス受けが良い作品
この辺も意識して作品作りを考え始めました。

目標を設定して、日々の練習まで落とし込む。

これで本気で「青春」をする準備を整えました。


苦労したこと

イラスト練習をするにあたり苦労したことや、大変だったことがいくつかありました。


■イラストの学校に不審者扱いされる?!
最短距離でイラストの勉強をする為に考えたのは、パーソナルレッスンを考えました。
そこでいくつかの体験レッスンや資料請求をする中で、

37歳、男性、イラスト未経験

このステータスだけで体験レッスンの当日にキャンセルをされ、
不審者扱いされ、身分証の提示を求められてしまうということもありました。(身分証明書の提示をすることが悪いことではないと思いますが身元がはっきりしない為、私にだけ身分証明書の提示を求められたことがとても違和感を感じました)

実際のメール

その晩、涙で枕を濡らしたのは言うまでもありません。娘もいるのに。。。。まぁ気持ちはわかります。レアキャラだったのかもしれません。


■練習時間の確保
だいたい280-300時間くらい本業で仕事をしているのと、
家族と過ごす時間が今の人生の時間の大半をしめており、練習時間の確保がとても難しかったです。

まず行ったことが、仕事と無駄な時間の効率化。
より効率的にできるか、無駄な時間はないかを現状把握しました。
どの仕事にどのくらいの時間がかかっているのか、空き時間になにをどのくらいやっているのか。これを計測することで、自身の時間の見える化を行いました。

SNSの無駄時間、ネットニュースを読む時間、何となくだらだら過ごしてしまう時間、トイレのスマホなど

仕事以外で、細かい時間が無駄時間になっていると感じました。

また仕事も時間を制限しないことで、仕事の完遂時間のふり幅があることがわかりました。
今日は時間があるからゆっくりやろうと無意識にやってしまっていることがありました。

・仕事の時間を決め、各タスクに対しても目標時間通りに行う
・無駄な時間を極力減らし、短い時間でもできる練習を見つける

この2点を軸に、
朝早起き練習スケッチブックでいつでも気軽に描くということを練習時間の確保として取り入れました。

また、ビジネス書によく書いてありがちな、
・創造性が最大限に発揮されるのは朝
・朝一の90分が一番記憶の定着が良い

この2点も意識して早起きトレーニングを組み立てました。


■基礎練習
イラストを修練していく中で、一つの気づきがありました。

作品を作る際、

自身の知っている知識や技術でしか、作品がアウトプットが
できない。

という当たり前のことに気づきました。
めちゃくちゃ当たり前なのですが、気づくまで時間がすごくかかりました。


例えば、
バランスの良い顔を描きたければ、顔の比率を知らないとそもそもバランスの良い顔が描けない。

殴るポーズを描きたい時に殴る時の手や身体のねじれを知らないと描けない。

当たり前のことなのですが、絵やイラストは、
知識を反映するものだと改めて気づきました。

新しいものを作るには、
守破離がとても大切だと気づき、基礎練習を毎日やること決めました。
基礎練習については後述します。

※守破離・・・まずは先人の教えを守るところから始まり、習得できたらその型を破る。 最終的には独自に発展させ、型から離れた己のスタイルを確立する。


作品の世界観について

元々の和田との構想では、平安時代の伊豆の国を舞台にした陰陽師集団と妖怪との物語でした。
それを、より成功確率を上げるために和田が現代版に置き換え、

妖怪をGRAFFITIや水墨画で閉じ込める

というこの物語の軸となる発想が出てきました。
和田からこのアイデアが出てきた時は晴天の霹靂でした。

まさに天才ですね。和田亮一恐るべし。

物語はこの一つのアイデアから派生して、プロットとキャラクターデザインが作られていきました。

TOONGATEに応募したあらすじと世界観、キャラクターデザインは下記です。

あらすじ
ビジュアルイメージ(世界観)


キャラデザ①
キャラデザ②

上記主要キャラクターに加えて、7体のキャラクターを作っていました。
(※どこにも公開されてないのでいったん公開は控えます)



番組(TOONGATE)を通しての学び

TOON GATEでの学びが多くありました。

・Webtoonマンガと横読みマンガの違い
縦読みマンガであるWebtoonは
「究極のひまつぶしコンテンツ」
であるということ。
つまり見たい!と思っている層がターゲットなのではなく、
なんとなく見ているという層がターゲットである。

そのため、都度クリフハンガーを用意し、次の話に進ませる物語展開が必要になる。

※クリフハンガー・・・劇中で盛り上がる場面、例えば主人公の絶体絶命のシーンや新展開をみせる場面など


・物語への感情移入
読者にどう感情移入させるのか。そのためには誰の物語であり、読者との共感ポイントや共通点はどうゆう部分なのか。
ここを明確にすることで明確な引きや物語へ没入してもらいやすい。
短い時間でどれだけ気持ちよくさせるのか。
などが作品を作るにあたっての抑えるポイント


・知名度によって導入が変わる
知名度があれば、複雑な設定や世界観の煩雑さが許容される。
知名度がない場合は、わかりやすい展開を考える。

その他にもここでは描ききれない学びがありました。
毎度の打ち合わせでメモをたくさん取らせていただきました。



絵の上手くなり具合

2021.11月~本気でイラスト練習に取り組み、
デジタルで描けば、すぐにうまくなると思ってました。
実際時間を描ければある程度はうまく描けるということはわかりました。
ただ、連載をするとなった時に、速さとアイデアも画力であることが明確にわかり、練習方法を変えていきました。

練習の軌跡を↓
イラストはじめ~時時雨GRAFFITIのキャラデザイン→プロの手による創作→練習の見直し

ーー
最初に描いた絵がこれです。左が和田、右が私。

最初に描いた絵

和田にパンチパーマの手長族と罵られました。

そこからデジタルの初めての絵

デジタル初めての男の顔


デジタル初めての女性

やばいですよね。笑
やばすぎて語彙を失います。

デジタルを1週間使った後はこんな感じです。

デジタル1週間河童

少年の河童を描いたつもりがおばさんになりました。


オリキャラの難しさを体感しました。(そりゃそう)

覚えたての影と河童笑



1ヶ月くらい経つとそれなりに形になってきます。

デジタル1ヶ月オリジナルキャラ

時間をかけ、3D素材やクリスタの素材を惜しみなく使うことで、ある程度のイラストを描くことができるようになりました。(有料素材をたくさん買いました)

作画方法は、YouTubeなどを見て影やレイヤー構造を理解しました。


ポーズを付けると途端に崩れる作画

ポーズを付けて見た小太郎の原型の原型の原型

目も変な方向を向いており、ポーズもぎこちない。
アイテムも意味不明。

この絵を和田に見せた時に言われたのは、
「この感じ好きじゃないですね」
と言われました。笑


その後も主人公作りに励んでいました。

小太郎の原型①

自分のサンダルをトレースしました。


小太郎の原型②

アメリカンドックは買って、写真を撮って当て込みました。
デジタルならではですよね。謎のキャッチャーサインも今となっては思い出です。
髪型超絶気持ち悪いですね。


何度かやり直すごとに、和田の世界観に徐々にキャラクター性が見えてきました。

六波羅蜜原型①

和田にもっとおしゃれにしたいと言われ、
おしゃれは等身の長さかもしれないと思い、ちょっと手を加えていきました。
靴めちゃくちゃこだわって描いてました。こだわっているところが間違ってますが、靴を描くのって楽しいんですよね。
自転車は有料素材を買いました。



等身を東京リベンジャーズを参考にしてみました。

六波羅蜜原型②

だいぶ整ってきました。ククルがショートでしたね。



最後はこんな感じになりました。

六波羅蜜原型③

柄や小物は有料素材を使ってます。
靴は結構しっかり描いてますね!ジミーのジーンズのダメージは、ダメージになるペンがあったので使いました。便利ですね。


ここからプロの制作陣により、

小太郎


ジミー


リー


ルパン


ククル

アッパレですね!

みんなかっこいい!


キャラデザインの役目を終え、練習を見直しを考えました。

イラストとしてのキャラクターは描けるようになってきたが、
マンガを描くためのそもそもの画力の向上をしていないという状況になっていました。

イメージから資料を集めて雰囲気のあるイラストを描くということはできましたが、
マンガにするための知識や、動きのあるイラスト、作画スピードなどが皆無でした。

そこで、前述にもありました、基礎練習を始めました。
具体的には、

・動きのあるイラストを描く為に、ジェスチャードローイング
・身体の構造を理解する為に、モルフォの人体模写
・表情やシチュエーションのバリエーションを増やす為に、感情類語辞典を使いドローイング
・構図の引き出しを増やす為に、フィルムスタディー

以上の4点を日々の練習に取り入れました。
各練習の解説は端折ります。知りたい方がいたらメッセージください。
解説追記します。


上記基礎練習を行った上で、
最近ではネーム練習と顔、首、肩周りの練習をしています。
Webtoonはバストアップのコマがイメージになりやすい為。


時時雨GRAFFITIのネームでお世話になりました、橋本ライオンさんにWebtoonのコミュニティにも入れていただき、充実した練習が出来ています。

尊敬する橋本さん



最後に伝えたいこと

■最高のチームメンバーへの感謝優秀な方々とチームで作品を作れたことを大変感謝しております。

チームメンバーには改めて感謝をさせていただきたいです。チームの皆さまが、時時雨GRAFFITI を好きでいてくれたからこそ、良い作品になったと思っております。

物語の方向性を導き、いつも優しくサポートしていただいた藤谷さん

最高のWebtoon作品に仕上げていただいた、井本さん、根本さん、株式会社フーモア様

ストーリーをスピード感のある迫力のある展開にしていただいた、にのまえさん

ド迫力の最高のネームをお作りいただいた、橋本ライオンさん

キレイな線画に仕上げていただいた、みやこなぎさん

ドキドキするカラーリング、着色をしてくれた、西下さん、株式会社NOKID様

わかりやすくかっこいいGRAFFITIを描いていただいた、つんさん

相方、天才 和田亮一

改めて、ありがとうございました。


■この企画(TOONGATE)で得た、出会い

今回の企画で、たくさんの出会いがありました。
大和ハンスケさん、カレースライスさん、さや子さん10代の3人の発想力には驚かされ、思考や発想の違いを感じさせられました。

ayapiiさんには何度でも頑張る!という気持ちに心が動かされました。

特に2ndGATEで同じ組だった、大和ハンスケさんと、小泉作十さんにはとても親近感を湧いており、切磋して琢磨したライバルであり同士と思っております。

小泉さんの作品は本当に面白く、自身の作品の次にたくさん読み込ませていただきました。

番組収録の控室で落ち着かずにネームを描く、小泉さんとてもかわいいです。

これからの小泉さんの作品も読んで、応援していきたいなと思っています。

ハンスケは、TOONGATEの影の立役者と言っても過言ではありません。

皆に話しかけ、皆と分け隔てなくコミュニケーションを取っていて、和やかな番組に方向づけたのはハンスケがあってだと思っています。

そしていつか、皆で作品が作れたらうれしいなと勝手に妄想をしています。


■中年の青春

この記事で一番伝えたいことは、中年でもチャレンジすることでなにか結果が出るということ。

新しいことに飛び込む際に、時間が経てば経つほどできない理由を探すのが人間です。

やりたい!→実現するにはどうしたらよいか考える→実行or非実行

ではなく、

やりたい!→何でもよいから一つ行動!→そこから考える

にすると、結果やらなかったとしても、行動をしたという経験にもなります。

若さには体力と行動力と柔軟な発想力があるけど、
中年は頑張り方を知ってて、少しだけ先を見れる。

中年でも青春はできます。

すごく青春してました。皆さんありがとうございました。


これからについて

Webtoonでのヒット作を作ること
ネットフリックスでの映像化する作品を作ること

この2つは変わらずに目標にしていければと思います。
まだまだ道半ばです。

賞金は新作への投資または、時時雨GRAFFITIへの販促に使いたいと思います。

新作のアイデアは和田小島共にたくさんあります。(和田が主にですが)

作品への出資、
新規作品の共作、
原作提供依頼、
などございましたらお気軽にご連絡ください。

一緒に関わらせていただければ、映像化まではお連れできるようにいたします。一緒に船に乗りましょう!

また、私自身も今後もイラストの練習を続けていきます。
イラスト関連の講座、スクール、イラストツールのスポンサードもお待ちしております。
こちらも、必ず良い形でお返しさせていただきます。



まだまだ自身の絵がうまいとは決して思いません。

でも自分の絵は好きです。

絵は描き続ければ、下手にならないので、今が最も下手な状態です。

そう考えると今描いてるものが愛おしく感じます。

最初は自社のビジネスの一つの~とふしだらな気持ちで始めましたが、
今は絵を描くことが楽しいです。

絵を描いている方、ぜひ仲良くしましょう!
Twitterで気軽にコメントください
色々と教えてください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

感想や罵声はこちらまでお寄せください。


最後まで無料で読める記事にしましたが、
せっかくなので、似顔絵を描いてほしい方は記事を購入していただければ、描きます。
お祝い記念や本当に欲しい方がいたらぜひ。

このタッチです笑

ニューヨークの屋敷さんの便所に飾りたい賞受賞作品


似顔絵描いてほしい方がいたら、ここで記事の購入を(^_-)-☆


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