見出し画像

《culemona》資料[1-8]


culemona 資料[1-8]

背に記されているロゴが「culemona」と記されている。ロゴがこう表記されているものは偶に見かけるので特に珍しいものではないようだ。通常の「cremona」とのスペル違いの経緯は分からない。
内部にラベルは無い。この個体は60年代頃と推察している。ネックの付け根部分のボディとの距離が割と狭い。大柄なボディの割には厚みがそれほどない。使われている合板材は粗悪な印象だが、重量はそこそこあり、同時期と思われる一部のペラペラな感じのクレモナよりはしっかりと作られているように見える。
弦長が長めでテンションがキツく、私は慣れなく操作には苦労した。枯れた合板材の音質。音量は問題ないがあまり響かない個体だ。そんななかにもクレモナのセンスは感じられる。
この個体のように、一般的に古い合板楽器は弦の鳴りがボディに素直に伝わらず(板は震えず)止まって(詰まって)しまった感じで上っ面の箱鳴りが優先する。こうした古い合板楽器の特徴的な鳴り方は、駒の調整などをすると、少しは良くなるのかもしれない。何かいい方法を探りたい。


culemona 資料[1-8]
total length :  183.5cm
string length : 107.5cm
(body)
upper Bout :  51.5cm
middle bout : 37.5cm
lower bout : 66.5cm
side : 20cm
height : 110.5cm

(sound sample)
strings : (unkown)

※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?