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《Cremona No.25》資料[4A-7]

Cremona No.25 資料[4A-7]
低価格帯の量産コントラバスの中で単板を使用されている製品のほとんどの表板は、一枚ではなく、だいたいがプレス形成された2枚の板が真ん中で併されて作られている事が多いが、クレモナは、この個体のように両脇の端の部分でも併せてあるのをよく見かける。
表板のみ単板のクレモナNo.25。この個体の表板の木目は均等でとても美しい。撫で肩のボディシェイプもとても弾きやすい。 
オール合板タイプでもクオリティの高い楽器をつくっていたクレモナのこのタイプ(表板単板タイプ)は、芯のある落ち着いた音色で、エントリーモデルの楽器として申し分ない。単板楽器の代替として、アンサンブルにも充分に使えるのではないか。
この個体はいつ頃のものだろうか。70年代半ば以降〜80年代とみて昭和時代の資料として扱うこととしたが、ラベルに製作年の表記はなく実際には分からない。

Cremona No.25 資料[4A-7]
total length :  184cm
string length : 105.5cm
(body)
upper Bout :  50.3cm
middle bout : 36cm
lower bout : 66.5cm
side : 21cm
height : 111.5cm

(sound sample)
strings : original flat-chrome(pirastro)



※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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