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《Chaki B-1》資料[1-12]

Chaki B-1 資料[1-12]
虎杢のネックは60年代チャキに多くみられる。形状や大きさは[資料2-3]C-1とほぼ同じで、大きめのf字孔も特徴的だ。指板は一見新しく見える。この指板は樹脂でコーティングされたような、あまり見かけないものだ。ナットと共に後に交換されているように見えるものの、ネックからのニスのひび割れの連続性をみると意外とオリジナルなのかもしれない。ボディにニス焼けが見られるが、あまり酷使されず比較的よい状態で現在に至っていると思う。
音はチャキ特有のリバーブ感の強い個性ある響きで、低音もふくよかに柔らかく鳴り心地よい。箱がとても良く鳴り音量もかなりある。しかし箱鳴りが過ぎていて倍音が暴れている感が強く、少々扱いづらいと感じるときもある。単体で弾いている分には音色も良く心地よいが合奏時はどうなのだろう。


Chaki B-1 資料[1-12]
total length :  182cm
string length : 103cm
(body)
upper Bout :  51.5cm
middle bout : 37cm
lower bout : 56cm
side : 20.8cm

(sound sample)
strings : zyex(D'Addario)

※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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