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《Chaki C-1 (1970) 》 資料[2-3]

Chaki C-1 (1970) 資料[2-3]
木目が大胆にでている化粧板を使用したこのルックスは、チャキの個性と言ってもよいかもしれない。チャキの古い合板製楽器は他社のものと比べて楽器重量がとても重い。この個体もひときわずっしりと重い。
1970年製。キズが多く使用感は激しい。指板は交換されている。量産型楽器の柔らかい材の指板は激しく削れてしまっている事が多く使いものにならない事がほとんどなので、録音時には有り難かった。弾き心地もよい。
ハイポジション付近で際立つリバーブのかかったような響きはチャキそのもの。全体的にダークな音色で雰囲気がある。独特の低域の響きを持ち、合板材由来のボディの上っ面だけ鳴る音の軽さを一瞬忘れさせてくれる。触れる度に驚きのある魅力的な個体だ。

Chaki C-1 (1970) 資料[2-3]
total length : 182cm
string length : 104cm
(body)
upper Bout : 52.3cm
middle bout : 38cm
lower bout : 65.5cm
side : 20.5cm
height : 109.3cm

(sound sample)
strings : helicore pizzicato(D'Addario)

※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。


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