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《Coin No.335 》 資料[1-5]

《Coin No.335 》 資料[1-5]
コイン。このメーカーについては情報が一切手に入らず、ラベルに製作年が記されていないので、だいたいこの頃なのではないかと推察するしかない。資料は全て50〜60年代のグループに分類しているが、もしかしたら70年代のものもあるのかもしれない。
コインの中古品は損壊しているものが多く、表板のニスの割れや捻れが目立つものを多く見かけるが、この個体の表板は比較的きれいなほうだと思う。使用しているニスも、コインによく見かける「こんなニスを楽器に使用するのか」と思うほどの粗悪なものではない。
ボディ形状はコイン特有の簡素な量産品という佇まいで、音は特徴のないシンプルな合板材の響きである。しかし、この特徴の無いシンプルさこそがコインの魅力だ。クセがなくシンプルに鳴るので弾いていて案外と心地良い。

Coin No.335 資料[1-5]
total length : 180.5cm
string length : 104.5cm
(body)
upper Bout : 50.5cm
middle bout : 38cm
lower bout : 66.3cm
side : 20.5cm
height : 110cm

(sound sample)
strings : flat-chromesteel(pirastro)

※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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