見出し画像

《Suzuki No.85 (1977) 》 資料[2-6]


Suzuki No.85 (1977) 資料[2-6]
スズキのNo.85は3/4と4/4サイズの2種類ある。こちらは1974年から2017年まで製造されていた国産3/4サイズ(バイオリンシェイプ)。43年間もの長いあいだ作られていたロングセラー機種だ。
スズキは古くから国産3/4サイズ(世界基準の1/2サイズ程)のバイオリンシェイプをつくっていて、どの時代の機種もボディシェイプがとても美しい。
この個体は1977年製。70年代のものだが傷が少なく、購入時は駒もセットされていなかったので、もしかしたらほとんど弾かれてこなかったのかもしれない。伸びやかな音は新しい合板楽器の鳴りに近い。
音色は後述する同型番のガンバシェイプ[資料3-5]と同系統だが、ボディが小さいからか、合板材のぼやけた響きがだいぶ引き締まっていて、弾いていて充実感がある。音量も充分だろう。

Suzuki No.85 (1977) 資料[2-6]
total length : 178cm
string length : 101cm
(body)
upper Bout : 48cm
middle bout : 34.7cm
lower bout : 61cm
side : 20cm

(sound sample)
strings : original flat-chrome(pirastro)



※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?