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《Chaki E-15 》 資料[3-6]


Chaki E-15 資料[3-6]
チャキのE-15はオール合板のほかに表板が単板のタイプもあるようだ。
この個体のラベルに製作年は記されていない。ラベルのデザインからおそらく70年代(半ばから後半辺り)から80年代につくられたものだろうと考えている。
一部の塗装剥がれ以外はキズも比較的少なく、指板の削れもない。購入時はネックが折れていたので、あまり弾かれていない時期に壊れてしまい、長い年月放置されていたのかもしれない。こうした個体は、同時期の使用感の多い個体とは全く異なる鳴り方をする。製造された状態を想像し易く、より“製品”を把握できるような気がする。
チャキ特有の個性的で豊かな響き。音質は硬めで、音に伸びがあり、弦鳴りが強く感じられる。古い個体なのにまるで新しい合板楽器のようにフレッシュな響きであり、弾いていて新鮮な喜びを感じられる。

Chaki E-15 資料[3-6]
total length :  183.5cm
string length : 105cm
(body)
upper Bout :  49.5cm
middle bout : 39cm
lower bout : 66cm
side : 21.5cm
height : 110cm

(sound sample)
strings : flexocor deluxe (Pirastro)

※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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