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《Kiso Suzuki No.100(1982)》資料[3-3]

Kiso Suzuki No.100(1982)資料[3-3]
キソスズキNo.100、1982年製。厚く塗装されたような化粧板は、低価格帯いかにもという外見で、重量も軽く、ペラペラなつくりの印象だ。80年代ともなると、他メーカーは以前に比べたら良質と思われる楽器向きの合板材を使用したりしていて、合板楽器なりに製品向上も見られる時代だが、量産楽器はコストパフォーマンスにこだわるからこそ存在意義もあるのだし、こうした楽器にもニーズがあったという事なのだろう。
この個体は80年代ということもあり、前述したキソスズキ[資料1-14][資料2-1]と比べればまだ材の新鮮さが若干感じられる鳴りだ。キソスズキ製品の特徴である籠もった柔らか過ぎる脆弱な音だが、音質としてはバランスがとれている方なのではないか、と感じることもある。

Kiso Suzuki No.100(1982)資料[3-3]

total length :  183.5cm
string length : 103cm
(body)
upper Bout :  55cm
middle bout : 36.8cm
lower bout : 66cm
side : 21.3cm
height : 109.5cm

(sound sample)
strings : original flat-chrome(pirastro)

※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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