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《Coin (no label)》資料[1-2]

Coin (no label)資料[1-2]
ネックが極端に細く、ナット側が3.7cmしかない。ノーラベルだがヘッド裏の処理などからコイン製品で間違いないだろう。ネック付け根のボディとの距離が狭く、指板の角度が垂直に近い。オールドの楽器などに見られる傾向だ。この点は今回の他のコイン資料とは異なっており、比較的古い製品例としてみている。
ボディの合板材の劣化は著しく、朽ち果てる寸前といった雰囲気を漂わせている。
なんとなくガッド弦も合いそうな雰囲気だったので、ガッド弦を中心に記録した。
弦長は102cmと若干短め。音量はとても小さく弾いていて充実感はあまり無いが、柔らかで暖かい音がする。コインの他の個体[資料1-3][資料1-7]と同種の枯れた合板材の音で、健康な通常の楽器では絶対に出ない質感だ。楽器として現代の音楽の現場では使えるものではないかもしれないが、好きな音色だ。


Coin (no label)資料[1-2]
total length :  182cm
string length : 102cm
(body)
upper Bout :  52.5cm
middle bout : 39cm
lower bout : 68cm
side : (up〜mid.)20.5cm  (low)21cm
height : 109.5cm

(sound sample)
strings : gud strings(unkown)
     chromcor(pirastro)

※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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