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《Chaki E-12》資料[4A-9]

Chaki  E-12 資料[4A-9]
チャキのEシリーズは古いE-2からバイオリンシェイプを中古で多く見かけるが、この個体はおそらく80年代頃と思われるガンバタイプ。表板のみ単板が使用されている。
全般的にこの頃のチャキの製品は同社の他の時代と比べると比較的良い材が使われている印象がある。時代の異なる同型番の製品を比べてみると、この時期のものだけ単板が使われている例を見かけたりする。
木目が派手にあらわれた化粧板はチャキの個性みたいなもので、この個体の裏板の化粧板もプリントされた様な虎杢模様が強烈だ。
チャキのオール合板タイプは、箱鳴りが豊かで個性のある響きの個体が多いが、このスペック(表板のみ単板)となると、特徴である箱鳴りの響きはやや抑えられ、単板材の芯の部分がしっかりと伝わってくるような傾向となる。この個体も芯のある硬めの音色の落ち着いた響きで、アンサンブルでも扱いやすい印象だ。音色はクセが強めのチャキの個性を感じる。指板は縞黒檀と思われるものが使われており、指板削れ由来のノイズも少なくストレスなく演奏できる。
録音のサンプルは何故かつま弾くピチカートの奏法が多く録音されていて、どうしてこうなったのかは思い出せない。


Chaki  E-12 資料[4A-9]
total length :  184cm
string length : 105cm
(body)
upper Bout :  51cm
middle bout : 36.5cm
lower bout : 65.5cm
side : 21.4cm
height : 110.7cm

(sound sample)
strings : Jargar Strings



※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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