《コイン》昭和時代の国産コントラバスメーカー#5

《コイン》
・社名/コイン・ベース社

詳細不明。コインは50〜60年代頃に出回っていたのではないかと推察している。中古市場でよく見かけるのでかなり流通していたのだろう。
ラベルには製作年は記されていない。
社名表記は「コイン・ベース社」「CO I N BASS.CO.LTD」「KO I N BASS.CO.LTD」など複数パターンある。記されている番号はシリアルではなく型番だろう。稀に「No.B」「A」「W」と別のナンバー枠も確認される。
コインの特徴は、ヘッド裏の溝がない一見手抜き的な造りだが、稀に溝のあるものも存在する。ほとんどの製品は他メーカーと比べると使用している合板材の表面がガサガサで、かなり粗悪にみえる。エンドピンは長さが調節できない木製のものをよく見かける。サイズ、形状こそ違うがこのタイプのエンドピンはINA JAPAN KYOMEISHA、Cremona(culemona)にも見られる。
コインは単板を使用したタイプは確認できていない。製品は全体的にローエンドではあるが、多少の差はあれど材の限界が際立つのが合板製楽器であるのだから、各社どの個体もさほど変わらないということは、メーカーを比較しながら合板製楽器を弾いていて薄っすらと思うところだ。ボロボロな状態の個体ばかりが残っているコインだが、クセのない素直なコインの音は案外良いのではないか、と感じている。

【私が確認した主な型番】
・A3
・No. 230
・No.280
・No.285
・No. 250
・No.300
・No. 310
・No. 315
・No.330
・No. 335
・No. 360
・No.B285
・No.B315
・No.B335
・No.B360
・No.B450
・No. B2850

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