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《Chaki (no model number)》資料[1-11]

《Chaki (no model number)》資料[1-11]
この個体は楽器内部裏板にChakiのロゴと(汚れが激しく判読しずらいが)「2X1644」とスタンプされている。これは型番ではなく恐らくシリアルだろう。チャキ製品では、裏板にラベルではなく直接スタンプされているものは60年代のものによく見られるので、恐らくこの個体も60年代のものと思われる。(もしかしたら50年代の可能性もあるのかもしれない。)
大きめのボディは、とてもしっかりとつくられている印象で、まるで昭和時代の家具を彷彿とさせる。古いチャキは板剥がれなど激しく損壊している中古も頻繁にみかけるが、この個体のボディは何の問題もない。傷はあるものの全体的に美しさが保たれている。
古い合板製楽器は購入時ガッド弦が張られている事が多いので、この個体にはガッド弦を張って試したりもしたが、結局馴染めずスチール弦に張替えた。おそらくネックか指板に問題があり、一部ノイズが気になる部分があったものの、そのまま音を記録した。
音量は抑え目で、チャキ特有のリバーブ感のある響きはあまりない。とても地味な響きで、ボディを堅牢につくり過ぎて鳴りを抑えてしまっているようにも思われた。調整をしたらもう少し良くなるのかもしれない。

Chaki (no model number)[1-11]
total length : 182.5cm
string length : 105cm
(body)
upper Bout : 52cm
middle bout : 38cm
lower bout : 66.3cm
side : 20.8cm
height : 109.5cm

(sound sample)
strings : original flat-chrome(pirastro),
             except track 1, 8-1, 8-2, 8-4〜6 use gud strings(unkown)

※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。これは私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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