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《Suzuki No.81(1970) 》資料[2-2]

Suzuki No.81(1970)資料[2-2]
スズキのNo.81、この製品は年代の近いものをを2例扱う。こちらは1970年製。同型番でありながら、前述の1967年製[資料1-15]とは若干つくりの印象が異なる。なんとく量産品とは思えない“手作り感”の雰囲気が漂う。[資料1-15]の方は使用されてる表板が極端に薄かったが、こちらは厚めの板が使用されている。裏板の下部に「富浦小 45.8.11」と記されており、もともとは千葉県の小学校にあったもののようだ。
オール合板製ながら表裏の板に音が届いているのが割と実感でき、弾いていて弾力を感じる。音量もあり、とても心地よく鳴る。音色はクセがなく、暗めなトーンで味わい深い響きだ。
ガッド弦との相性が良いと感じたため、記録した音は大部分がガッド弦となった。サンプルとしてもう少しスチール弦の音も記録しておくべきだった、と少々後悔している。

Suzuki No.81(1970)資料[2-2]
total length :  183.2cm
string length : 104cm
(body)
upper Bout :  50.4cm
middle bout : 39cm
lower bout : 65.3cm
side : 21.3cm
height : 110cm

(sound sample)
strings : gud strings(unkown),
              except track2 & last track    belcanto(thomastik-infeld)

※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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