《Ina Japan Kyomeisha》資料[1-1]
《Ina Japan Kyomeisha》資料[1-1]
イナジャパンキョウメイシャについては現在一切情報を手に入れられてない。
ラベルには製作年は記されていない。おそらく50〜60年代につくられたものだろう、と考えている。
このメーカーの製品は楽器の厚みが上から下にかけて大胆に厚くなっているものが多く、この個体もその様なつくりになっている。
全長が170cm。今回の調査資料の中では最も小さい。ボディシェイプが美しく小さいこともあり、部屋にあっても良いかな、と思うこともある。
弦長は97cm。間隔が狭く弾くのに苦労した。
音は箱鳴りが少なくペラペラで音量はかなり小さい。そもそも合板楽器というのは “板はあまり震えず、ほとんど箱鳴りしかしない” というのが特徴なのに、その箱鳴りが少ないと、弾いた時の充実感が著しく損なわれ残念な鳴りである。
音の質感は合板材故の音質の硬さが少々気になるが、全体的には地味で好感が持てる。現状指板にも問題があるし全体に調整は必要だろう。もう少し響きも出てくるかもしれない。
《Ina Japan Kyomeisha》資料[1-1]
total length : 170cm
string length : 97cm
(body)
upper Bout : 45.5cm
middle bout : 32cm
lower bout : 59cm
height : 100cm
side : 17.5cm(up)〜20cm(mid)〜21.5cm(low)
(sound sample)
strings : belcanto( thomastik-infeld)
※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。
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