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《Cremona No.10 (laminated)》資料[1-10]

Cremona No.10資料[1-10]
クレモナのボディシェイプにはいくつかパターンがあり、この個体はNo.30、No.40などにも見られる撫で肩のタイプだ。スズキの撫で肩よりもさらにスマートな感じでとても弾きやすい。重量はとても軽く、粗悪な材でつくられたペラペラな楽器の印象だ。ナットは初期の頃に見られるような荒削りなものではないが、全体的にまだ洗練されてない古いクレモナ低価格帯の軽薄感が漂う。
音は合板の無駄な箱鳴りを押さえたマットで落ち着きのあるクレモナのサウンドだが、音の軽さが気になる。材の劣化もあるのだろう。
No.10は、異なるボディシェイプの大柄な個体[資料4-6]を後に触れる。同じメーカーの同じ型番だが、スペックも異なる全く別の楽器だ。昭和時代の量産楽器をみていると「型番(あるいは品番)とは何なのだろう。」と頭を傾げてしまう。

Cremona No.10資料[1-10]
total length :  183cm
string length : 103cm
(body)
upper Bout :  51cm
middle bout : 37.5cm
lower bout : 67.5cm
side : 21cm
height : 110.5cm

(sound sample)
strings : belcanto(thomastik-infeld)



※傾向として昭和時代の国産量産型コントラバス(特に70年代くらいまでのもの)は同一型番であっても“つくり”に大きなムラがある。また古い楽器はその個体がどの様に扱われてきたかで現状のコンディションに大きな差異が生じる。交換可能な部位はオリジナルかどうか疑わしい場合もある。録音は私がたまたま資料として出会った個体の記録でしかなく、記述は個人的な見解に過ぎない。採寸は素人採寸。

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