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《第18話》漫画画材「アイシー」を愛する製作担当者たちのこだわり


アイシーは、元々漫画画材を始めとしてレタリング、クレープ紙のテープなどの製造、販売を行っていた会社で、今は株式会社G−Too(ジー・トゥー)のブランド名として商品を販売しています。
特に「アイシー漫画原稿用紙」を使っている漫画家さんは数多く、デジタル製作が進んだ今もアイシーの人気商品のひとつです。
 
今も昔も、プロもアマチュアも、漫画家を目指す人達は必ず通ったであろうこの画材との思い出をミニチュア化してカプセルトイで発売することとなりました。


今回は開発担当「y-hoashi」さん(ソータ)との会話を中心に本商品を深掘りしていきたいと思います。

商品内容

《 y-hoashiさん談 》
「アイシー商品で有名な原稿用紙とアイシースクリーンは4枚のアクリルキーホルダー(原稿用紙表紙1枚・トーン2枚・原稿用紙1枚)がひとつになった贅沢仕様になっています。
これを重ねると実際に原稿用紙にトーンを貼ったような仕様になったり、トーンの下にユーザー様がお持ちのフィギュアやイラストなどに合わせることで漫画の一コマのような演出が楽しめます。
キーホルダーとして使用するだけでなく、色んな遊び方や写真の撮り方できるように考えました。

原稿用紙・トーンAセット


アイシースクリーントーンは透け感を楽しめます


【雲形定規】は曲線を描くものですが、ミニチュアでも実際に使えます。

雲形定規  使用例

【アイシーウッドドール(男性)】は、写真を撮ってイラストレーターでトレースしたものをfreeform(3Dモデリングソフト)で立体化しています。こんなときにfreeformがあると2Dを比較的早く3D化できます。
ペーパークラフトがカプセルトイに付属しているのは珍しいですが、ミニチュアの再現にこだわり実際の商品パッケージのデザインデータを頂戴し、
カプセルトイサイズへ調整しました。

アイシーウッドドール(男性)



【アイシースーパーブラック・アイシーアートホワイト】
アイシーアートホワイト】は私も昔使っていた商品で、今は廃番になって販売されていません。昔から現在に至るまでアナログ漫画を作成している人達に長く愛用されていた商品で、廃番になっていたと知り驚きました。廃番になり手に入らないからこそ愛用していた方達に懐かしんでもらえるように、今回ラインナップに入れさせて頂きました。

アイシースーパーブラック  /  アイシーアートホワイト


「本来であれば今の為替だとこのボリュームでは500円カプセルトイのクオリティです。ただアイシーさんと話していたときには400円カプセルトイとして開発していたので、何とかして400円として発売することにしました笑
単品のキーホルダーではなく、漫画家セットのイメージで商品化を目指していたため、ココはどうしても譲れないポイントでした。」

 
「カプセルトイ版とブラインドボックス版で原稿用紙の種類とアイシースクリーンの種類が違います。
ブラインドボックス版は、廃盤でもう手に入らないものをチョイスしています。昔アイシーを触っていて〈もう手に入らない〉〈懐かしい〉と思って貰えるユーザーさんに届けたい商品展開になっているので、是非カプセルトイ版とブラインドボックス版を比べてみて欲しいです。」

カプセルトイ版


ブラインドボックス版

  担当者たちのこだわり

 「トーンをカプセルサイズにそのまま縮小をすると、柄がわかりにくくなるので、カプセルサイズに落とし込む際に違和感の無い調整を施しました。

 ・ミニチュア用のメモリ作成
 ・トーン柄の縮尺調整・陰影調整
 ・トーン番号の視認性調整 

これらの調整に関してはアイシー担当者さんより、こちらの裁量でやって良いと自由にさせて頂いたので、ミニチュアサイズでも違和感の無い仕様にすることができました。」


企画段階の試作と比較

 
「またミニチュアサイズにすると現物トーンから流用したトーン枠のメモリがわかりにくいので、ミニチュアサイズでもトーンっぽく見せるためにメモリを作ってくださいと依頼がありました。

メモリ調整前後


メモリを入れたほうがより実物商品のように見えるのですがトーンのサイズとメモリの実サイズにかなり誤差がでるので、これは何が正解なのか非常に悩みました。
最終的にミニチュアを作る際に、リアルに見せるためには忠実に再現するところと、違和感のない様にデフォルメするところの絶妙のバランスが大切な事を勉強することができました。」
 
 
 
2022年8月にコピックを販売したのですが、僕は正直ここまで反響があると思っていませんでした。



ツイッターで発売確定を上げた時に反響がすごかったのですが、実際に商品が発売されるとどこの店舗でも完売続出で、多くのベンダー事業者さんからリピート要望が上がりました。ただ余剰に多く在庫を積んでいなかったのでベンダーさんの要望に答えられず2023年1月に緊急再販という形を取らせて頂きました。


 
ニッチな市場だとは思いますが、一定層の熱烈な固定ファンがいる市場でもあります。「コピック」と同じ層のユーザー様に向けた商品ですので、アイシーでも同様の現象が起こってくれることを期待しています。


 
今後もし次弾を続けることが可能であれば、「コピック」「アイシー」の商品を使って、作家さんコラボのカプセルトイ化などができれば商品展開が広がって面白いのではないかなと妄想しています。


2022年 11月 11日
 
SO-TA/ソータ     安藤 こうじ


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