《第17話》指乗りドラゴンが14万「いいね」いった訳 - イササ -
2Dデザインから手原型、デジタル造型と多彩な表現手段で多くのファンを魅了するマルチクリエイターの【イササ】さん。
ソータからも2021年からこれまで【星の子コレクションシリーズ】が累計・約20万個がカプセルトイとして生産されました。
2021年8月発売 「星の子コレクション」
2022年5月発売 「星の子コレクション2」
2022年10月発売予定 「星の子コレクション-新星-」
そして、14万を超える「いいね!」をつけた【指乗りドラゴン】の発売がついに2022年9月末に発表されました。
今回、作者【イササ】さんへのインタビューを敢行!!
皆さんにイササ作品の裏話や世界観を知って貰えたらと思います。
子供・学生時代の頃について
「子供の頃から家族みんなものづくりが好きで、祖母が裁縫、母も姉も叔母も絵を描く人で、いつも日常にものづくりがあり、気づいたら絵を描いていました。」
「そんな中でも中学時代の美術部の先生の影響が大きかったと思います。
絵だけではなく、七宝焼をやってみたり、シルバーを作ってみたり、色んな表現方法と技術を教えてもらいました。」
「専門学校に入ってからは創作活動の披露の場として、色んなイベントに出展しており、企業に就職してからもずっと創作活動とイベント出展を継続していました。」
「当時は仕事としてやっていく程、自分の技術があると思っていなかったので、趣味としてやっていこうと楽しみの一つとして創作活動をしていました。」
イベント活動について
現在は会社を退職し、創作活動一本でフリーランスとして活動されています。
イベントをすれば長蛇の列ができ、作品は即完売、色んな企業から声が掛かる人気作家さんです。
イササさんと話していて、仕事の合間を縫って創作活動をし、高校時代から継続してイベント出展する積み重ねによって自分のやりたいことを突き通す意思の強い人だなと感じました。
またイササさんの作品は、多くの人が望んでいるものにオリジナリティを掛け合わして、身近なものとして具現化することに長けているなあといつも感心しています。
「イベントブースに多く人が集まるようになったのは造型作品を展示するようになってからです。
絵を中心にイベント出展している時に、知り合いの造型師さん達に立体もやってみてはと進められたのがきっかけです。ファンや作家さん達からのサポートのおかげで比較的にすんなりと造型の制作環境をつくることができました。」
作品へのこだわり
イササさんの作品には独自の世界観を感じさせるものが多いのですが、意識されていることを伺いました。
「【ぬいぐるみが好きな人はぬいぐるみの世界観を大切にしながら、家族のようにぬいぐるみと一緒に日常を暮らす】ぬいぐるみ作家さんと話していたことがとても印象に残っていて、造型作品を作るときに飾って眺めるだけではなく、生活する上で楽しめるものを作ろうと心がけています。」
「またなにか限ったものを追い求めるのではなく、フラットに発想するようにしています。
人が不快にならないもので、社会で今なにが求められているのかのマーケティングは、作品を作る上でいつも意識しています。矛盾しますが
《 馴染みがあるもので、初めてのもの 》
《 いそうだけといないもの 》
を形にするのが大切かなと思います。」
星の子コレクションについて
「《星の子》は元々、世界観どうこうというよりも《卓上ライト》が欲しいなという想いから作り始めました。
市販のライトを内蔵できるもので、机の上に立っていたら可愛いものを形にしたらあのような作品になりました(笑)。
なので《星の子》を作った当初世界観はありませんでした。
ただ初期の頃はマントの裏が夜空になっており、マントの中にぼんやりとした世界観はありました。」
ソータで商品化が決まった段階で世界観を明確に設定し、ツイッターやミニ冊子で発信したことで、それがお客様に徐々に受け入れられ、シリーズが進むに連れて生産数も倍に跳ね上がっていきました。
イササさんが目指している【生活する上で、家族のように一緒に楽しめるもの】が造形とバックグラウンドの親和性で、見事にファンに刺さった商品となりました。
指乗りドラゴンについて
2021年1月22日にバズったツイート。
画像と一緒に添えたコメント。
「なんか指に止まったと思ったらドラゴンじゃん」
これがファンの心を刺しました。
イササさんの作品制作のコンセプトのひとつである
「日常で楽しめる、いそうでいなさそうなもの」
それを具現化した画像に一言添えて
ツイッターにちょこんと置いてみると14.5万いいね!
メーカーからすると「してやられた!」って感じでした。
ほんとにヒットメーカーで、プロデュースの仕方が一流広告代理店です(笑)
そして今回、カプセルトイ化を発表して頂いたのですが
これが現在4.6万いいね!ついています。
「一番最初に指乗りドラゴンをお披露目したのが2019年後半でした。
当時は3Dプリンタを導入したばかりで、3Dプリンタじゃないとできない造形を目指してドラゴンを作っていました。しかし当時の環境ではなかなか思い描いている通りに形にできずにいました。
今は環境をアップデートしたことで、細い造形なのに耐久性があり、自立をして、指にも乗せられるように作ることが可能になりました。
2021年1月のツイートは、写真とあの文言をベースに私の意図を汲んでみんながリプで遊んでくれるかどうかが不安でした。」
ドラゴン造形のこだわりポイント
「指乗りドラゴンを作ろうと思ったのは《ハリーポッターと炎のゴブレット》で袋からドラゴンを出すシーンがあるのですが、あれぐらいのサイズのドラゴンが欲しいなあと思ったのがはじまりです。
実際に想定されているサイズを縮小したドラゴンフィギュアではなく、実在していそうなサイズで、家族として一緒に遊べるドラゴンを目指しました。
そのため、リアル志向な造形としてこだわったのはトカゲっぽさです。
実在する動物がファンタジーの世界にいたらこんな感じのデザインかなと想像して造形しています。
また日常の風景や植物と一緒に写真を撮っても違和感がなく馴染ませるために、目立ちすぎないように作っています。」
指乗りドラゴンは2023年1月発売予定です。
これから
まずは技術力向上だそうです。新しい技術が出てきた時にすぐに飛びつける土台を作っておきたいともおっしゃっていました。
また自身の技術力向上と、世の中の技術革新が出てきた時にいつでも頭の中にあるアイデアをアウトプットができる体制を作っておく、自己投資がどれだけできるが大事だともおっしゃっていました。
チャンスってなかなか回ってこないですが、その順番が回って来た時に発揮できる準備をしておくってほんとに大事だと思います。どんなことにでも当てはまることですよね。
プロデュースと造形の両立って、経営と現場の両立と同じで難しいですが、
両方やってのけるイササさんのマルチな才能に、今後の作品が楽しみです。
2022年 10月 7日
SO-TA/ソータ 安藤 こうじ
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