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Diary_01142024

8時半起床。朝食。今日配布する資料を作るのを忘れていたので、慌ててまとめる。シマっちゃんが来る。

夏海さんに見送られ出発。仙台駅へ。10:22のはやぶさに乗車。車中でウィリアム・ボーダイン『雀』を途中まで観る。グスタフ・フォン・セイファーティッツが現れるたびに邪悪さが画面いっぱいに充満する。美術さんが作り上げた侘しい地獄の光景に見入る。

12時前に上野着。日比谷線で八丁堀へ移動。コンビニで資料を準備してポタジェ/七針へ。ホソマリさん、林谷さんと合流。既にセッティングされており、イメージガレリオを思わせる丁度いいスペース感に喜ぶ。程なくして深尾さん、細馬さんも到着して軽く打ち合わせ。始まる前から細馬さんとグリフィス談義となり、サイレントを集中的に見始めてからというもの、ここまで当意即妙に会話できる人に会ったのが初めてということもありテンションが上がる。芦田君がポタジェバイト要員として登場。

14時開場。開始前に関さんに会う。作品完成を目前にして、静かな高揚感を共有している。

14時半より細馬さんとサイレント映画を観ながらのトーク。最初に細馬さんセレクトのグリフィス『見えざる敵』を細馬さんの解説と弁士の中間みたいな語りを聞きながら皆で観る楽しいひとときがあり、僕が用意したオタク作業の成果を披露する、ある意味シゴキ系の時間が続く。ホルンで「友の会」を開いた時もそうだったけど、マックス・ランデーの映画はお客さんの反応が良くて、改めてこの人は凄い人なんだと尊敬を新たにする。110年後の観客をも笑わせるなんて…。無論、ランデーに限らずこの時代の映画人たちの熱意、熱狂は、現代の我々にも強く響くものがあると思うし、こうして何人もで集まって共有すると、それが如実に分かる。家で一人で観ているのも楽しいけど、やっぱり映画は大勢で観たほうが楽しいのだ。

準備した映画を全て時間内に紹介できてホッとしたのも束の間、今度は七針に降りて今夜のライブの準備に入る。控え室でパパッと昼食を取る。

細馬さんは新境地のエレガットとエフェクターボードを駆使しているうえにストラップ(!)をつけて立って(!)歌い演奏するらしい。共作曲コーナーの打ち合わせを全然していなかったので、急いで選曲+練習。2人だけなのでアレンジをその時の気分で勝手に変えられるのが楽しい。

斉藤さん、祐子さんも現場着。開場前、七針の前で小山さんに声をかけられる。僕は昔から一方的に知っていたけど、こうしてお話するのは初めてかもしれず、思わぬことにあたふたしてしまった。せっかくお会いできたのに、CDの感想やお礼など、きちんとお伝えできなかったと後で猛省する。

野田さんからは高知の巨大いちごを頂戴する。ホソマリさんに預かってもらい、打ち上げで皆でいただくことにする。

井口さんと増原さんも来てくれて、ちょっとどうかというぐらい喜ぶ。『左手に気をつけろ』DVDを拝受。

19時より開演。最初は僕のソロのセットで、いま積極的に歌いたいと思って選んだ「悪魔の歌」「夜への歩み」「Thatness and Thereness」「生活」「嘘の町」を演る。

続いて細馬さんのセット。いきなりの名曲「運び屋」に狂喜。聴くたびに、なんて曲だろうと震える。映画繋がりで「ハッピーアワー」、「Thatness and Thereness」「Take on Me」「Sunday Morning」日本語カバー、高畑監督の初期作品の挿入歌だという「ヒルダの子守歌」(とんでもない名曲)、そしてオリジナルの名曲「終点まで一駅」でしめるという、完璧なアクト。

休憩を挟んで、共作曲コーナーとなる。今回はリハで選曲だけしてあったのを、本番前に僕が大急ぎで曲順を決めたが、我ながらいい感じだったんじゃないかと思う。既に我々のクラシックとなってしまった「ポゼッション」や「殺し屋さん」「多田サービス」などに始まり、去年書いた最新曲まで、よくもまあこんなに変な曲を書いたものだと思う。アンコールをいただき、我々としては貴重なCD化曲である「異常気象」「トマトジュース」を演って長い一日が終わる。

終演後に七針内に設置された喫煙所で、芦田君から感想を聞かせてもらう。川松さんも来てくれていて、斉藤さんと3人で話していたらなぜか誕生日の話になり、斉藤さんが知り合いの誕生日や誕生月を細かく覚えていることに驚愕する。

空腹でポタジェに引き上げ、カレー2種盛りをいただく。野田さんと須崎の話、ワイアットの話などに花が咲く。井口さん、増原さんとも久々に映画の話などできて幸せに思う。ツイッターでよく拝見している飯島さんともご挨拶できた。

最終的に川松さん、細馬さん、祐子さん、ホソマリさん、林谷さん、深尾さんというメンバーが残り、サイレント映画の話、ネット黎明期のことなど話す。いやー、今日は凄かった。

ポタジェを辞し、深尾さんと地下鉄駅近くまで歩いて別れる。0時過ぎに宿にチェックイン。メールをいくつか書く。

途中だった『雀』を最後まで観る。ボーダインの演出は諸手を上げて賛同するわけにはいかないが(途中から悪役一家のクソガキが映画の世界から完全に消えたのはちょっと疑問)、やはり役者たちの躍動と熱意は素晴らしいと思う。ピックフォードは30代半ばにしてこのコケティッシュかつコミカルな動きは圧倒的だ。『デパート娘大学』に近い時期だけに、充実期だったんだなと如実に分かる出来だった。



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