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さて、経済界の一番の注目点は、米国の景気と金融政策ですが、意外と米国の消費は強く、年内もう一度利上げがあるというのがコンセンサスです。消費が強い背景には、既存の住宅ローンは9割が固定金利なので、これだけ利上げしても、さほど影響を受けていないことがあるのは朗報です。

もちろん、新規で借りる方の影響は甚大ですし、企業の投資マインドは冷え込みます。アジア諸国は、米国と中国向けの輸出が成長ドライバー。中国は不動産変調で不振ですので、やはり、米国の動静が非常に気になるところです。

各国は、米国の金融政策を睨みながら、利上げ(トルコなど)、見送り(多くの国)、利下げ(中国、ベトナムなど・・・中国はなかなか下がらないという話も)に分かれた対応を取っています。米国の利上げの打ち止め、さらに、利下げにならないと、現状の円安は解消の目途がたたない感は強く(何らかの日銀のサプライズはあり得ますが)、しばらく神経質な状況が続きそうです。

さて、後期授業が始まり、これから1月末まで、また怒涛の日々が始まり、なんだか、2ステージ制のスポーツ選手のような生活ですが、そのステージ間の端境期を利用して、学会が数多く開催されます。私も先週末学会に参加しており、経済安保について昨年度に続いて発表させていただました。学会の諸準備、司会・討論を引き受けて頂いた先生方、手伝っていただいた学生に皆様には深く御礼申し上げます。

概ね毎年度参加しており、世相を反映した発表が太宗になりますが、今回は大きな変化を感じました。明らかに、インド関連の報告が増えていたのです。

インドは製造業では、それなりの大国ですが、鉄鋼では、大型プロジェクトが始動しています。今のご時世、このような動きがある国は、インド以外に見当たらない?ような気がいたします。

他方で、非製造業では、厳しい外資規制が敷かれています。小売業は、キラナと呼ばれる零細小売店が、キャベツ1つ、コーラ1本でもデリバリーしてくれて、利便性が高いと言われています。今更ながら、最近市場参入ているのがコンビニですが、大成功するのか否かの行く末は不透明です。

これらに関連した報告が、私よりも1周り、2周り若い先生方から報告され、大変刺激を受けました。

また、日本国内で、急速に増えているネパールの方ですが、同国では、法的には撤廃されていますが、インド同様に根強く残るカースト制度についても、報告があり、制度の壁をIT産業などへの就労は超えさせるものながら、PCなど機器へのアクセス、さらに、IT習熟のための学校の費用などの壁は高いそうです。

やはり、ビジネス分野の変容に伴い、アカデミック界もフォローする領域が変わってきたのだと、今回は従前よりも強く感じました。無論、研究領域では、競合が少ない方が有利ですので、そういう分野に敢えて先生方が注目されている面もありそうです。

全体的には、インドへの注目度はまだそこまでは高くないかもしれませんが、胎動を感じたのは間違いありません。やはり、インドには注目です。


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