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かってシンクタンクに勤務している頃、年末は来年のとんでも予想のための会議が開催されてていました。
とんでも予想は、いわゆるテイルリスクで、これが起きたらヤバい!という予想で、2015年には、2016年の米大統領選挙でトランプ政権誕生をとんでもで出したところ、まさかの当選・・・になったこともありました。

もう、事業再編で研究所はなくなり、研究員・エコノミストも三々五々となり、後継会社からとんでも予想は発表されなくなりましたが、引き続き、大胆予想という名称で発表しているところに、SAXOBANK証券があります。
ご参照ください。

なかでも、日本のデフレ終焉、賃金上昇は、概ね方向感として当たっているのではないでしょうか。


2024年、私なりに、こうなるかもしれない・・・というメインではない、サブ、つまりリスクシナリオを考えていたいと思います。

1.米 トランプ大統領の再選

一番ありそうで、実際にそうなると世界が混乱しそうなのは、トランプ氏の大統領再選でしょう。あらゆることが、逆回転する可能性が高まります。

バイデン政権下で進んだ、同盟国の米国への信頼回復はどうなるのか?

中国に対しては強硬姿勢の一方で、取引をしてしまうのではないか?

FRBに非常に高い圧力をかけて、中銀の独立性は毀損しないか?

日本では、トランプ氏の懐に入り込んだ安部元首相亡き後、だれが、トランプ氏と渡り合うのか?

そうならないことが、望まれますが、なるかも・・・しれません。

2.台湾 国民党の政権奪還

こちらは、国民党と第三党の民衆党は、総裁候補の一本化に失敗したこともあって、現在は民進党が優位といえそうですが、国民党はじわりと追い上げています。

台湾では、これまで8年毎に政権交代が繰り返されてきていますので、どちらに転んでも驚く事態ではありません。

とはいえ、台湾の政権が、中国と距離を置く民進党のほうが、日米などにとっては経済安保上、シナリオは描きやすいのかもしれませんので、中国との対話チャネルのある国民党が政権奪還すると、そのシナリオはどう変わるのか、注視は必要になりそうです。

3.米国 経済の失速

現時点では、インフレは終息、2024年は慎重に利下げに転じて、株高は堅持、雇用は底堅いまま、2%台から1%台半ばに成長にソフトランディングというのがメインシナリオでしょう。

現在の高金利がもたらす弊害を、うまくFRBがハンドリングできるのか、また、サプライチェーン再編に絡んで、民主党は巨額の財政拠出を行っていますが、このあたりが、選挙ではどのように評価されるか、気になります。

2023年は予想よりも底難かった米国経済、2024はソフトランディングであればよいですが、利下げのタイミングをはかるのは容易ではなく、既に融資は伸び悩むなど、ハードランディングになる懸念は残っています。

4.中国 経済の回復

中国に関しては、少なくとも日本では、ネガティブ報道一色と言えるでしょう。いわゆる中国関連銘柄となっている日本企業、一部の自動車、化粧品、衛生陶器、など、日本株全体が高い中で、株価は低迷しています。

ですが、ここに来て、株価は頭打ち感もあります。中国の景気は、案外粘り腰・・・これは、サプライズですが、あり得るでしょうし、市場はある程度織り込みつつあるのかもしれません。

もちろん、1.もしトランプ氏当選の場合は、中国経済が底堅くても、対中ディリスキングが進むことにはなるのでしょう。


5.グローバルサウスにおいて、グループAとグループBの分断進む

新興国、いわゆるグローバルサウスには、政治が安定して経済が好調な国(グループA)と、その双方が不振の国(グループB)に分かれています。

グループAは、インド、インドネシア、メキシコなど、新興国の中でも大国で、いずれも来年選挙がありますが、与党および現職の後継者が優位に立つ状況には変わりありません。引き続き、想定通りの結果であれば、投資マネーの流入は期待できそうです。

他方で、グループBは、南ア、パキスタン、スリランカ、バングラデシュなど、こちらも来年選挙がありますが、インフレ、債務の罠で景気は低迷しており、選挙結果次第で、投資マネーはよりつかず、国内が紛糾することに注視が必要です。

AとBの乖離が大きくなると、そもそも寄せ集めといえるグルーバルサウスが、ますます烏合の衆となり、ようやく高まった国際的な発言力を早晩失うリスクもありそうです。

以上、あくまでサブシナリオですので、そうなるかも・・・という準備だけしておけばよいと考えていますが、ロシアでも選挙があり、ウクライナ情勢、パレスチナ情勢、予断を許しません。

さはさりながら、デフレからインフレにシフトするタイミグで、日本では新NISAがスタート、米中という大国にマーケットは揺さぶられ、為替相場にも敏感に反応するので、日本でも国際情勢へのアンテナが非常に高まることになるのではないでしょうか。

そのうえで、赤から青いユニフォーム変わる大谷選手の一発に勇気と元気をもらう1年になることだけは間違いなさそうです。



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