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日本企業の特徴として、終身雇用、年功序列、企業別労働組合、これが三種の神器とも言われる時代が、長らく続いてきました。さらに、4月の新卒一括採用、世界を見回すと、このような制度の国はなかなか見当たりません。

確かに、昭和の日本企業は確実にそうでした。ですが、平成不況の時代に徐々に変化、時代は令和、三種の神器は残っていますが、転職・中途採用が増え、ジョブ型雇用の増加、組合は、株主などに比べると発言面での存在感の相対的な低下は否めません。

ただし、この日本の制度は、留学生らとディスカッションしていると、意外と高く評価されていると感じています。雇用の安定は、社会の安定、ひいては、経済社会の安定につながるというロジックです。苦慮に苦慮を重ねて三種の神器をなんとか死守してきた日本企業は、その点は大いに誇りを持っていただきたいと思います。

他方で、「個人の人生=会社の社歴」のような図式は、どこかおかしい・・・という声も聴かれます。耳の痛い話ですが、某経済紙の「私の履歴書」に載る企業人の方は、相当程度の方がほぼ人生=会社に、これまではなってきたことを、強くは否定できません。

日本企業は多様化し、そもそも、日本型経営をモデル化する意味も希薄化していくと思われます。それでも、単純に毎年60万人以上も総人口が減少している状況下で、海外からの人材を引き付けるうえで、日本型経営の優位性を訴求することはまだまだ意義があります。

「組織の責任=責任の所在があいまい」、には功罪ありますが、「私の履歴書」からは、1度の大失敗は許し、リカバーすればよしとする文化や、国内外でダイバーシティを学び、人としての懐の深さをよしとする文化は、確実に成熟してきているようにも感じられます。

私は、まずは現場で新人が学ぶOJTや、売り手よし、買い手良し、社会良しの近江商人の文化も日本型経営の一環と考えています。これは企業の社会的責任(CSR)や流行りのSDGsとも相性がよい企業文化です。当該分野は、アジアでも関心が高まり、特に25歳以下のZ世代にその傾向が強いとされています。

日本型経営は、世界が悩む若年層の雇用機会の提供という面では、素晴らしい効果を上げています。また世間体の重要性は実はCSR重視ともいえ、懐の深さが、再チャレンジの機運も実は静かに産んでいます。

外資流のガイアツは必要です。

それでも、良いところは残し、日本型経営の進化が、周辺からは期待されていることも忘れないでいただき、当該部分は自己肯定で胸を張って頂きたいです。









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