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平成世代があえて、令和世代へのメッセージを伝えるならば

次世代へのメッセージ、なんて偉そうなことを言える立場ではありませんが、自身が平成世代であることは確かであり、一応大学で教壇に立っているので、令和世代にメッセージらしきものを伝えることが、意図する場面も、意図せざる場面も、ままあります。

そこで、経済学の視点を少しだけ交えて、少し明るいメッセ―ジを考えてみたいと思います。

1.都市でみれば、日本は世界屈指

日本は駄目だ・・・日本はやばい・・・そういう論調が多いのは事実ですが、都市レベルでみるとそんなことはないという事実です。

東京圏、正確には広域関東圏ということにはなりますが、都市圏としては世界最大規模であり、関西は、これも広域関西圏ということにはなりますが、世界の10位台に入ります。今度、アジア新興国の大都市圏が人口規模では追い抜いてはいくでしょうが、大都市の市場の厚み、充実した交通網からくる利便性、文化発信力では、世界屈指であることに変わりはありません。

実際には、国単位よりも都市単位の競争が激しくなっていることを鑑みるに、日本は駄目ではない・・・という見方は十分にできます。

2.変化に必要なのは、強さよりもしなやかさ

令和日本では、米中摩擦の中で、その立ち位置への苦悩は深まっているようには思えます。2大国は、もしトラとなれば、激しくぶつかりそうな気配ですし、他方で、もしトラの米中ディールとなっても、それはそれで怖い気がします。

体制的には米国寄りは既に増しています。
それでも、日本は、西側か東側かと問われれば西側ですが、
西洋か東洋かと問われれば、東洋でしょう。

文化、独自の伝統に加えて、アニメ、サブカルなど、どこか社会的な緩さもあります。渋谷やなんばには、一体どんな職業なのか、聞いても、すぐにはよくわからないけど、しっかり稼いでいる方が多数いらっしゃいます。この社会的なゆるさが、米中分断の中では、プラスに働くのではないかとみています。

円安が続き、貿易赤字となって国力が衰えているようにはみえますが、食料は難しいとしても、エネルギーの国内調達率を上げたり、サプライチェーンを変容させたりできれば、貿易黒字が定着します。

働き方は、終身雇用・総合職型から、ジョブ型・副業型に変容していますし、経済がデフレからインフレにシフトし、貯蓄から投資へとシフトしつつあります。

世の中は変化しますが、その際、求められるのは強さではなくしなやかさ。ぽっきり折れない柔軟性がカギになります。

3.大きな冒険でなくても、小さな冒険を積み重ねることが肝要

有力クラブ・サークルに所属したり、しっかり、弁護士や会計士試験、公務員試験に取り組んだり、さらには、学祭委員などで、皆を取りまとめる、こういうことをされている方は、そのままで十二分だと思います。

でも、そうではない・・・・という方も多いと思うのです。
その場合は、小さな冒険でよいのではないかと私は考えています。

講義では、毎回、Q&Aを取っていますが、毎回、なかなか鋭い質問をされる方がいらっしゃいます。これはなかなかできないことです。十分、レポートにもできるネタが生まれます。

外国の方と自由に会話できるスペースを設けている大学は少なくないのではないでしょうか。そこに1カ月居座れば、それは、なかなかの冒険でしょう。

一番やりやすそうなのは、時給や地の利を一旦おいて、自分が関心のある業界でバイトしてみてみることでしょう。業界の中から見える姿は、外からとは大分違うものです。

お笑い芸人さんの成功のカギは、パフォーマンスそのものよりも、ネタ作りにあるはずです。同じように、小さな冒険でネタを作って欲しいなと思います。

そして、企業が生き残るには、小さな変化を乗り越えていくことに尽きます。iOSのバージョンアップは1回、1回はそこまで大きな変化ではないですが、長く重ねると大きな変化になります。

大きな冒険ができる方が凄いことは間違いありません。
でも、小さな冒険も、積み重ねれば、それなりに大きくなり、立派なことです。

7月になりました。
夏はあっという間です。
できれば、その小さな冒険で感じたことを書き留めておいていただくと、少しだけ豊かな日常になるように思います。

今回は、平成世代の独り言なので、さらっと流してくださいね。

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