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今年は、日ASEAN友好協力50周年です。

我々は先人の尽力によって、素晴らしい遺産を受け取ることができていますので、それを踏まえて、本来はこれからの50年について考察すべきすが、やや長期に過ぎます。

先般、小職より25歳年上の大先輩と共にASEANの政治・経済動向に関するセミナーに東京都内で登壇する機会がありました。50年後は不可能ですが、25年後の考察であれば、予想が当たったのか否か、健康に留意することで自分自身が確認できます。そこで、50年後の半分の25年後の日ASEAN友好75周年時点の状況について、大胆に予想してみます。

第一に、日ASEAN逆転が加速度的に進み、現在のASEAN上位中所得国の大都市部においては、日本以上に豊かになると予想します。

シンガポールの一人当たり名目GDPは、既に日本を大きく凌駕する水準になっていますが(図表1)、ASEAN上位中所得国であるマレーシアやタイにおいても、クアラルンプール、バンコクといった大都市部は、日本よりも豊かになる可能性が高いでしょう。

(図表1)日本とASEAN主要国(一部抜粋)の一人当たり名目GDP実績

(出所)IMF, World Economic Outlook Database(Oct.2023)

加えて、これらの都市間が高速交通網で整備されるでしょう。日ASEAN逆転の時代を迎えることは、様々な変化をもたらします。日本が途上国を支援するという伝統的なアプローチは、早晩変容を迫られ、日ASEAN関係はフラットなものに変質するでしょう。

第二に、第一とも関連しますが、日本人が、ASEANで稼ぐために就労する時代を迎えると予想します。例えば、ASEANの下位中所得国であるベトナムの地方農村部においては、現在は日本における就労意欲は高いといえるでしょう。目下、円安の悪影響は出ていますが、日本が外国人労働者に門戸を開く姿勢が続いていることは朗報です。

しかしながら、25年後には、日本に向かうASEANからの就労者は激減しているでしょう。逆に、日本からASEANへの就労者がにわかに増えることになるでしょう。経済力の均等化がもたらす自然な帰結です。

(続く)

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