【シナリオ】焼き鳥と刺身(1枚)
人 物
黒田太一(28)会社員
白井勉(39)会社員・黒田の上司
居酒屋の店主
○居酒屋「花咲か」・中
繁盛している。店主はカウンター向こうで忙しそう。カウンター席に黒田太
一(28)と白井勉(28)が並んでいる。焼き鳥が一本皿に残っている。
白井「んで、俺が代わりにやってやったっていうね。それから」
店主「(遮るように)これ、向こうのお客さんにお願いできるか」
と言って店主はビールジョッキを四つカウンターに置く。白井は嫌な顔。
黒田「いいですよ」
黒田はジョッキを持ちあげる。
◯居酒屋「花咲か」・中
白井は空にした焼き鳥の竹串を皿に置く。そこへ黒田が戻ってくる。
黒田「すみません、話の途中で」
店主「これサービス」
刺身が二皿。黒田と白井は喜ぶ。
〈了〉
* * *
<工夫したところ>
二つの柱には黒田がジョッキを配りに行ってから戻ってくるまで、若干の時間差があります。それを、焼き鳥串を使って表現しました。白井が最後の一本を食べてしまうくらいの時間が経過したという映像表現です。
居酒屋の店名が「花咲か」なのは、「花咲か爺さん」から来ています。まあ、意地悪爺さん役の白井も刺身はもらえるんですけどね。
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