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境界線を指でなぞって

グラデーションワールド


たとえば体調が悪いとき
隙なくメイクして、しゃんとして隠す

どうして?
わたしたちは野生の動物じゃない
つらさをみせたって、
ライオンに食べられちゃうわけじゃない

でも
それってほんとかな?
あしもとには落ちこぼれたら食べてやろうと
口を開けてるワニがいる。
彼らは顎をかちかち、いつもパトロール中。

こわいな、とおもうとき
分厚い殻のなかでひとりきり熟す
旅するヤシの実になって
ただ波に乗ってみよう

もういちど目を開けてみて
ここは境界線のない世界
輪郭をやさしくなぞれば
色があふれて
あなたのやさしさは内へも外へもむかう

いいよ
ここで脱いでも
いいよ
そこで溶けよう


………
2020.10.02

私の大切なものは目に見えない。
服を着てしまえば。

おなかの袋がなんだか、わかりますか?
わたしのおなかには人工肛門があります。
きゅっとしめる筋肉はありません。
だから、
排泄物を受けとめるこの袋をつけています。

わたしは元気です。
よく笑います。
歌を歌っています。
障害があると、誰も気づきません。
服を、着てしまえば。

おなかに排泄口を持つ人を
オストメイトといいます。
たとえ、からだの一部を失くしても
オストメイトマークはプラス。
だからわたしは笑います。

想像してみてください。
あなたのまわりにも
見えない困難を抱えているひとが
いるかもしれない。
わたしは感じます。
あなたも、ちいさな不安やおおきな悩みの上に
服を、着ているのだということを


Copy: こい瀬 伊音




グラデーションワールド企画室の
コピーライター/詩人 こい瀬 伊音です。

このたび、友人のエマ・大辻・ピックルスさんの
オストメイト認知向上活動の一環としてポスター製作に参加しました。

彼女は、服を着てしまえば見えない障害を持っています。
隠せば、時に健常者としてのふるまいを求められ
理解を求めることが難しい…

全国20万人のオストメイトを支え
その希望となれるように!
エマさんの想いを受けて、
ポスター作戦スタートです。

だれもが
ほかでもないあなた自身が、
生きやすい世界=グラデーションワールドに
住みませんか?


エマさんのHP
https://peraichi.com/landing_pages/view/umdress

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